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ホーム>気になる健康コラム>夫の喫煙は妻を病気にしている!受動喫煙の恐怖
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京都大学と東北大学が行った宮城県民を対象にした共同調査によると、夫がタバコを吸い、妻が吸わない夫婦は、夫婦共に非喫煙者の場合と比べると、70代での妻の医療費は1.4倍に上ることがわかりました。
京都大学の今中教授によると、70代の受動喫煙がない妻の月額医療費は32700円だったのに対し、受動喫煙がひどい妻の月額医療費は46700円で、入院費に限定すると受動喫煙がない妻は10600円、受動喫煙がひどい妻は20500円という結果が出ました。
受動喫煙の有無で、月額医療費は1.42倍、入院費に限定すると1.93倍も差が出ています。つまり、夫の喫煙から来る受動喫煙により、妻の健康に害が及んでいることが、統計上明らかになったのです。
タバコが健康に悪いことは、皆さんご存知だと思います。タバコは、動脈硬化を引き起こし、脳卒中や心筋梗塞、狭心症の原因となりますし、肺がんや咽頭がんなど各種がんの発症リスクを高めます。また、呼吸器系の疾患の原因にもなります。
でも、タバコの害を受けるのは、喫煙者だけではありません。喫煙者の周りにいる非喫煙者にもタバコの害が及んでしまいます。いわゆる副流煙による「受動喫煙」ですね。
喫煙者が吸う主流煙より、副流煙のほうが有毒性が高いと知っていますか?主流煙は、燃焼温度が高く、しかもフィルターを通して吸い込むのに対し、副流煙は燃焼温度が低い部分から発生し、フィルターを通していないためです。
主流煙に比べて副流煙には、ニコチンで2.8倍、一酸化炭素で4.7倍、ホルムアルデヒドにいたっては50倍も含まれています。
受動喫煙によって引き起こされる病気の一例をご紹介します。
妊婦や新生児への影響は、流産や早産のリスクが高まり、低体重児が生まれやすくなります。また、乳幼児突然死症候群の確率も上がると言われています。
小児の場合は、小児喘息や呼吸器機能の低下、中耳炎、小児がんの発症リスクが高まるだけでなく、アトピー性皮膚炎の悪化や知能や身体の発達の遅れなども引き起こします。
成人は、肺がんや副鼻腔がん、乳がんや子宮頸がん、心筋梗塞や脳卒中のリスクを上げたり、気管支喘息の悪化や呼吸機能が低下することがわかっています。
2005年にはWHOが「タバコの規制に関する世界保健機関枠組み条約」を発効し、受動喫煙の防止が各国の責務として定められるようになりました。
日本でも厚生労働省が中心となって、受動喫煙防止に取り組んでいて、健康増進法の中でも受動喫煙の防止が明記されています。また、職場における喫煙室の設置には助成金を出すなどの対策を行っています。
このような行政の受動喫煙防止への取り組みも重要ですが、喫煙者一人ひとりのマナーや意識向上が最も重要になってきます。喫煙自体は、法律で禁止されているわけではありませんので、禁煙する必要はありませんが、喫煙する場所を守るようにする、公共の場所では吸わないようにするなどの心遣いが必要です。
自分が吸ったタバコの煙が、家族や周囲の人の健康を害していることを意識して、マナーを守って喫煙するようにしましょう。
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