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再生不良性貧血
再生不良性貧血体験談




 蛋白同化ステロイド療法

いよいよ最初の治療である蛋白同化ステロイド療法がスタートしました。


この治療法はステロイド薬が腎臓に作用し、赤血球産生を刺激するエリスロポエチンというホルモンを出させ、それが骨髄に作用して病気を改善させるという治療法です。


治療前に先生から副作用ということで顔やからだにむくみが出るという説明がありましたが、この副作用は想像以上に辛いものでした。


治療開始後3日間でなんと体重が12kgも増えたのです。それも顔がパンパンにふくれるくらいに。私はもともと標準より痩せ気味で太っていた経験がまったくありませんでしたので、この副作用は精神的に辛いものでした。


とにかく体重が気になり一日3回は体重計に乗り、体重記録手帳なるものを自分で作り、毎日の体重を記録していました。


4日目からは少しずつ体重が減り始め、10日目には10kg痩せていました。しかし体重が減った割にはかおのむくみがあまり取れず、しばらくは
アンパンマンみたいな顔での入院生活になりました。


当時、
アンパンマンの顔で写真を一枚撮ったのですが、自分でその顔を認めたくない気持ちで捨ててしまいまいた。今思うと記念に残しておくべきだったと後悔しています。

治療効果はというと、3ヶ月経っても結局成果は上がらず次の治療に進むことになりました。



                               



 外出直後に両目眼底出血


入院してから4ヶ月が過ぎた頃、初めて外出許可をもらうことができました。


当時、白血球はホルモン投与により3000/mm³くらいを保っていましたし、血小板も3日に1度くらいのペースで輸血していましたので2.0万/mm³前後を保っていました。


外出してやりたいことは山ほどありましたが、初めての外出ということで友達と焼肉を食べに行くことにしました。


病院を出るとすぐに異変が起こりました。
目の前が真っ赤に染まったのです。空も真っ赤、建物も真っ赤、さらに目を閉じても真っ赤でした。そうです、眼底出血を起こしていたのです。


しかしそのときは片目だけでしたし、今病院に戻ったらまた何ヶ月も外出できないのだろうと考えました。そして私は病院にはすぐに戻らず焼肉を食べに行きました。そのときに食べた焼肉はほんとにおいしかった。毎日の病院生活から抜け出せた開放感と味の濃いおいしい食事に満足でした。


さすがに出血が気になったのでその後すぐに病院へと戻りました。先生に出血のことを報告すると、案の定しばらく安静でもちろん
外出も禁止になりました。


次の日の朝、目を覚ましてみるとなんと
もう片方の目も出血していたのです。両目とも出血をしたせいで視界はほとんどなくなり、トイレに行くことすら困難な状態になりました。


知り合いがお見舞いにきてくれても、誰かが来たということしかわからず、思わず「誰?」と聞くほどでした。みんなびっくりしていましたよ。記憶喪失にでもなったのかと思っていたようですね。


眼底出血も日に日に少しずつ良くなり2、3週間ほどでかなり見えるようになってきました。



                               



 えっ!おれが講師に?


ある日、主治医にこんなことをお願いされました。


「中国から来た医者がいるんだけど日本語を教えてやってくれないか」


と。最初は戸惑いましたが、「暇な毎日に刺激ができていいかな」なんて軽い気持ちで了解しました。


その先生の名前は劉さんで、年齢は30歳前後くらいでした。劉さんは日本語の教科書を持っていたので、私は劉さんがその教科書を読んでいるのをただ聞き、間違ったところは教えてほしいということでした。


間違った箇所を私が教えると劉さんは英語で答えを返してきます。しかし私は英語がまったくダメなので何を言っているのかちんぷんかんぷんでした。


それでも週に3回ほど接していると不思議なことにお互い相手が何を言っているのかなんとなくわかるようになってきたのです。私が日本語を教え、劉さんが英語を教えてくれていたような感じでしたね。


その授業も1ヶ月ほどで終わり、私は劉さんからお礼をもらいました。それは中国の石とビスケットでした。
こんなおれでも誰かの役に立てるんだと思ったらなんだかうれしくなってきました。


ちなみに後で主治医から聞いたのですが、いきなり私にこんなことを頼んだのは、私があまりに毎日暇そうにしているのを知っていて、何かやることを与えてあげたいと考えてくれたそうです。主治医のやさしさに感謝です。





     




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