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ホーム>再生不良性貧血>体験談(5)
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蛋白同化ステロイド療法が失敗に終わり、次はいよいよ免疫抑制療法です。この治療で効果がなければ骨髄バンク登録になるわけです。
この治療法はATG(抗胸腺細胞グロブリン)とシクロスポリンの免疫抑制剤にG-CSFを組み合わせた三者併用療法です。主治医からはこの治療を行うにあたって説明がありました。
「この治療は100%副作用が起こり、死亡率は20%くらいだ。当然この治療をやるかやらないかは君の判断だからよく考えてくれ」と。
さすがに死亡率20%と聞いたときにはやりたくないという気持ちがかなり強かったですね。だって5人に1人は死ぬってことですよ。それは誰だってビビリますよね。でもこの治療をしなければ骨髄移植をするということになるわけで…。
そういえば先生が「骨髄移植の当病院での死亡率は30%です」とも言っていました。そう考えると免疫抑制療法の方が多少リスクが少なく、すぐに治療ができるということがメリットかなと考え免疫抑制療法の決断をしました。
ちなみにこの治療は一時的に白血球がほとんどない状態になるということでセミクリーン室で行い、感染症には特に気をつけなければいけない治療なのです。
よって治療の前に感染源になるようなところがないかからだの隅々まで(おしりの穴まで)検査しました。肛門科では先生におしりに指を突っ込まれ、その後で若い20歳代の看護師におしりを拭かれたときには、恥ずかしさとちょっぴりうれしさ?とで不思議な気分でした。

実際に治療が始まったのは12月の中旬でした。5日間連続、12時間かけて静注点滴(ATG)を行いました。
1日目は強い倦怠感と39℃の発熱でした。しかし思っていたほどの苦しさ、辛さではありませんでした。
2日目も昨日同様、倦怠感と発熱でしたが熱は38℃くらいでした。
3日目になるとからだが慣れたせいか倦怠感も発熱も治まり、とくに副作用はみられませんでした。
4日目以降もとくに変わりはなく、思っていたよりも全然辛い治療ではありませんでした。2週間後くらいには大部屋に戻ることができ、あとは効果が出ることを祈るばかりです。

私はこの病気にかかってから毎日のように採血し、先生から今日は赤血球がいくつで、血小板はいくつだよと言われてきました。
自然と赤血球とは何?血小板はからだの中でどんな働きをしているの?というようなことに興味を持ちだし、本を借りてきては自分で調べるようになっていきました。
大部屋に移り、同じ部屋の人たちとしゃべっていると、その中の一人Sさんが現役の臨床検査技師であるということがわかりました。
それまで臨床検査技師という言葉さえ聞いたこともありませんでしたが、Sさんから検査技師の仕事について聞いているうちに、「おれも検査技師になりたい。同じような病気の人の力になりたい。」と真剣に考えるようになりました。
今までの人生の中で自分はこの仕事がしたいという目標を持ったことがなかったので初めて目標が見つかりました。
しかし私は当時私立大学に通っており、毎年莫大なお金を親から払ってもらっている身分でしたので、今の大学を辞めて検査技師の養成学校に入りたいとはなかなか親には言い出せずに迷っていました。
そんなときに相談にのってくれたのが検査技師のSさんでした。Sさんは「自分の子供が初めて目標を見つけて頑張っている姿を見て応援しない親はいないよ。確かにお金はかかるかもしれないけど、子供はそんなこと心配しないでいいんだ。それが親の務めなんだからね。自分のやりたいことをしっかりやるのが親孝行だよ。親も喜んでくれるよ。」と言い私を励ましてくれました。
Sさんの言ったとおり、親に自分の今の素直な気持ちを話してみたら、「自分のやりたいようにやっていいよ。やりたいことが見つかってよかったね。」と素直に喜んでくれました。でも今は病気を治すことが一番重要ですけどね。

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