一般の病院が主に「診療」のための施設であるのに対し、大学病院は「診療」「教育」「研究」の3つの役割を担っており、学生や研修医の医学教育をしながら患者を治療する場所なのです。
よって、高度で専門的な医療が受けられる反面、研修医が治療を担当したり、経験豊富な医師のする処置を若い医師や学生が見学したり、研究段階の新しい治療を試す「実験材料」にされることもあります。
大学病院を受診する際には、あらかじめ、そういったことを覚悟する必要があります。
実際、私も再生不良性貧血のときに大学病院に入院していたのですが、毎週、教授回診があり、研修医や医学生が20人くらいぞろぞろ診察を見学していましたし、医学部の講堂で医学生200人くらいの前でストレッチャーにのったまま研修医の診察を受けたこともありました。
まあ、このときは主治医に「アルバイトをしないか?」と誘われ、ただ横になっているだけで5000円がもらえるという実においしい話しだったので引き受けました。
勘違いしてはいけないのが、大学病院だからといって決して医療レベルが高いとは限らないということです。
例えば、がんの手術では大学病院よりがん専門病院のほうが手術件数や外科医1人当たりの症例数も多いのが現状です。もちろん大学病院の中にも献身的に患者の治療をする医師はいますし、看護師のレベルが高いところもあります。
しかし、中には近くの公立病院と同レベルか、むしろ少ない症例数しか診ていない分野もあるので、大学病院というブランドを過信しすぎないようにしましょう。
|
|
|
|