薬を飲み忘れたとき、どうすれば良い? -飲み忘れたときの対処法・予防法- 健康・医療の総合情報サイト
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薬の常識
薬を飲み忘れたとき、どうすれば良い?

 薬を飲む時間について


薬を飲む時間・タイミングについては様々な決まりがあります。みなさんはどれだけ正しく認識できているでしょうか。


食前・・・・食事前の30分〜60分以内
食直前・・・食べる直前
食後・・・・食後の30分以内
食間・・・・前の食事から2〜3時間後
就寝前・・・寝る30分〜60分前
起床時・・・朝起きてすぐ



意外と正確には分かっていなかったのではないでしょうか。特に、食間を食事中と誤解される方が多いです。これは食事と食事の間という意味なので、お食事中に薬を服用されることのないよう気をつけてくださいね。きちんと飲む時間や用量を守らないと、薬の効果が適切に現れない場合があります。




                               



 そもそもなぜ薬の服用時間が決まっているのか


多くの薬の場合、
@ 作用部位における薬物濃度はその効果に密接に結びつき、
A またこの濃度は、製剤を投与した後に薬物が生体内でどのような挙動を示すのかということにより決められます。


前者については、血中薬物濃度は高すぎても低すぎてもだめで、ある範囲の濃度に長くとどまっていてくれなければなりません。つまり、副作用発現濃度から最低有効血中濃度までの間の、薬物治療域という濃度の範囲に、吸収された薬の血中濃度が長い時間存在していればその薬は長く効果を発揮してくれるということなのです。


後者について、薬が吸収される過程で消化管粘膜や肝臓通過時に代謝されてしまうことがあります。これを肝初回通過効果と言います。また、吸収され、その後全身循環血へ移行する際に、この移行の程度や速度も、その薬の用法や用量を決定する基準となります。


肝初回通過効果が大きいと、薬物が代謝されてしまう割合が大きくなりますから、当然作用部位での血中濃度は低くなり、薬の効果が弱くなります。全身循環血への移行の程度が低くてもそれは同様ですし、速度が遅くても効果が現れるまでに時間がかかってしまいます。


このように、血中濃度が薬の作用発現域にない時間が多い、またはその域に達する速度が遅いと、薬は十分に効果を発現することができないのです。薬によっていつ吸収されやすいかなどは決まっていますから、薬の飲む時間や用量を守るということは、その薬の効果を最大限に発揮させるために大切なことなのです。




                               



 飲み忘れたとき


上に述べたことから、薬を飲み忘れたときにやってはいけないことが分かります。飲み忘れた分を次に飲む分と一緒に飲んでしまうことです。これをしてしまうと薬の血中濃度が期待されている値よりも大きくなってしまい、副作用が現れる危険があります。


飲み忘れて大分時間がたってしまい、次の服用時間がせまっている場合は、飲み忘れた分は抜いて、次に飲むはずだった分だけを飲めば良いでしょう。


ただし薬によっては飲み忘れたときの対応が違う場合がありますから、薬剤師や専門医に聞いてみることをお勧めします。




                               



 飲み忘れを防ぐには


では、どうしたら飲み忘れを防ぐことができるのでしょうか。これは毎日自分が飲む時間にアラームを設定しておいたり、絶対見る場所に忘れないように紙を貼っておいたり、日常でできる小さな努力が必要です。ご家族がいらっしゃる方は、飲む時間になったら教えてもらうなど協力してもらうのも良いですね。




                               



 新しい製剤


世界中では日々新たな製剤の研究が行われています。その中で、徐放化というものがあります。徐放化とは、少しずつ出すという意味で、血中濃度の一過性の上昇が起こりにくいため、有害作用の発現頻度の減少や副作用の軽減につながり、血中の治療有効濃度が長時間持続されるようになります。ということは、薬の血中濃度が有効範囲内に維持されるので、薬の服用回数が減るということです。


新しい製剤の研究のおかげで、飲み忘れを心配することがなくなる日がやってくるのも、ひょっとしたら近いのかもしれませんね。





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