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ホーム>薬の常識>薬の正しい飲み方・危険な飲み方
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薬を飲むときにみなさんは何で飲んでいるでしょうか?
お茶や牛乳、ジュースなどで飲んでいるという人も意外と多いのではないでしょうか。
確かに薬はおいしいものではないですし、錠剤が大きいものやカプセルは飲みにくく、苦い薬もあります。
しかし、水以外の飲み物で薬を飲んでいるあなたは危険な飲み方をしています!
水以外の飲み物で薬を飲んでしまうと、薬の作用効果が低下したり、まったく効果が無くなってしまうこともあります。また、逆に作用が強くなることで思わぬ症状が出るという危険もあるのです。
もちろん全ての薬でそのような現象が起こるわけではありません。しかし、水以外の飲み物で薬を飲むことは大変な危険があるということを知っておいてください。
それでは実際にどのような薬と飲み物の組み合わせが危険なのか例をあげてみましょう。

●組み合わせ1
血圧降下薬のカルシウム拮抗薬(ブロッカー)+ グレープフルーツジュース
●相互作用効果
これは有名な危険な組み合わせですね。
グレープフルーツにはある薬物代謝酵素の働きを阻害して、薬の血中濃度を高めてしまう成分が微量に含まれています。この成分は微量でも作用が強く現れる特徴を持っているため、グレープフルーツジュースで血圧降下薬を飲んでしまうと薬の作用が強くなり、血圧が下がりすぎたり、動悸などの副作用が出ることがあります。
●組み合わせ2
解熱鎮痛薬のアスピリン製剤(バファリンなど)+ 果物のジュース
●相互作用効果
胃からの出血など重大な副作用が起こる可能性がある
●組み合わせ3
扁桃炎や咽頭炎薬のテトラサイクリン系の抗生物質(ミノマイシンなど)+ 牛乳
●相互作用効果
牛乳の中に大量に含まれるカルシウムと結合して、吸収の悪いカルシウム塩に変わってしまい、薬の効果が完全に無くなる可能性があります。

飲み物ではないですが、食べ物でも危険な組み合わせがあります。
●組み合わせ4
抗凝血薬のワルファリンカリウム製剤(ワーファリンなど)+ 納豆
●相互作用効果
これも大変有名な危険な組み合わせですね。
ワルファリンカリウム製剤は血液を固まらせる働きを持つビタミンKの働きを阻害して、血液が固まらないようにする薬です。一方、納豆に含まれる納豆菌は、体内に入ると腸管内でビタミンKを作り出します。
つまり納豆をたくさん摂取してしまうと、ビタミンKが腸管内で多量に作り出されてしまい、薬の働きが弱くなり、血栓という血液の塊ができてしまう危険があります。
ちなみにこのビタミンKは納豆だけではなく、ブロッコリーやキャベツ、レタス、モロヘイヤ、青汁に含まれるクロレラなどにも含まれているため、それらの過剰摂取には注意してください。
よって、ワーファリンを飲んでいる人は野菜ジュースも多量に薬を飲まないようにしてください。

また、ビールや焼酎などのアルコール飲料で薬を飲むとどうなるのでしょう?
もちろんビールで薬を飲む人はほとんどいないと思いますが、薬を飲んでからすぐに飲み会などでアルコールを摂取したり、また、二日酔いの状態で朝の薬を飲む場合はあるかもしれませんね。
一般的に、アルコールと薬が一緒になると思わぬ副作用が現れることがあります。
例えば、咳止めの薬や抗アレルギー薬とアルコールが一緒になるとアルコールが薬の作用を強めてしまい、悪酔いし強い吐き気を催すことがあります。
また、精神安定薬や睡眠薬などの脳の中枢にはたらきかける薬でもアルコールにより作用が強くなり、足元がふらついて転倒したり、階段から落ちるなどの重大な事故を引き起こした事例などもあります。

上記に示したように、水以外の飲み物で薬を飲むことは危険だということが少しはわかっていただけたのではないかと思います。
では水なしで飲んではいいかというと、それもよくありません。
水なしで薬を飲むと、胃の中で溶けずに効果が出ないまま排泄されたり、のどに引っ掛かって、そこで溶け出し、炎症や潰瘍ができてしまうこともあります。また、粉薬を水なしで飲んで気管に入り、肺炎を起こしたというケースもあります。
よって、薬を飲むときは原則として水またはぬるま湯で飲む習慣をつけましょう。また、基本的にお茶やウーロン茶でも問題はありません。
薬の正しい飲み方をこれから実践してください。

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