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ホーム>薬の常識>薬をネット購入する際に気をつけること
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医薬品は、医師の処方箋が必要な医療用医薬品と、処方箋が必要なく薬局などで購入できる一般用医薬品の二つに大きく分けられ、後者はさらに第一類から第三類に分けられます。数字が少なくなるほど危険な医薬品ということになり、今までは第三類の医薬品だけしかネット販売が認められていなかったのですが、2013年1月に、最高裁判所が「厚生労働省のネット販売に対する規制は違法である」との判決を下したのをはじめとして、第一類、第二類の医薬品もネット販売が認められるようになりました。
薬をネットで購入するにあたって起こりうるメリット、デメリットを考えてみたいと思います。
まずメリットについては、
●薬局が近くにない場合でも薬を購入できる
●夜遅くても注文できる
●痔や水虫の薬など、対面販売ではちょっと恥ずかしい薬も購入しやすい
などが挙げられます。
特に小さいお子さんを抱えていて薬局に行けない方や、遠くにしか薬局がなく、行くまでに時間がかかる方などにとっては、ネット販売解禁はとてもありがたいニュースだったのではないかと思います。
次にデメリットを挙げると、
●薬が届くまでに時間がかかる
●粗悪品が存在する場合がある
●副作用などの有無が分かりづらい
などが考えられます。
やはり対面とは違い薬が届くまでに時間がかかるために、症状が出てからの注文では遅かったり、自己判断で商品を買うことへの不安などがあるようです。
以上のように、ネット購入については喜びと不安が半々といったところですが、注意することは、第一類医薬品は手軽にネット購入できないということです。
洋服や食品のように、欲しい物を選んでボタンをポチッと押せば購入できるのは第二類医薬品と第三類医薬品だけで、第一類医薬品を注文する際には、性別や年齢、症状、持病の有無などの必要情報を販売者に送信する必要があるのです。これに対して、薬剤師が医薬品の用法や用量、注意点などの情報を提供し、購入者が理解したことを返信して初めて発送ということになります。
ですから、どうしてもという場合でない限り、第一類医薬品を購入する際には最寄りの薬局へ足を運んだほうが早いかもしれませんね。
また、薬のネット販売は、実際に店舗を有する薬局や店舗販売業の許可を持った販売業者だけに限られており、これらの条件を満たす業者が都道府県に薬のネット販売サイトのURLを届け出し、許可がおりて初めてネットで薬販売が可能となります。
しかしインターネット上には、販売許可を得ていないサイトや、薬事法で承認されていない薬や偽造薬品を販売しているサイトもあるのです。
このようなサイトに騙されないように、怪しいなと感じたら、そのサイトが厚生労働省の「一般用医薬品の販売サイト一覧」に載っているか、またはサイトへの記載、表示が義務づけられている以下の項目がきちんと書かれてあるかを確認すると良いでしょう。
@ トップページに店舗の名称を表示すること
A 実際の店舗の写真を掲載すること
B 勤務中の薬剤師・登録販売者の氏名などを掲載すること
C 許可証の内容(開設者名、所在地、所管自治体など)を掲載すること
D 営業時間外を含めた連絡先(電話番号、メールアドレスなど)を掲載すること
薬ほど、販売者と購入者の情報格差が激しい商品はないのではないかと思います。販売者の方はきちんと正しい知識を提供する義務がありますし、薬自体の説明はもちろん、飲み合わせや副作用情報などを一括で管理できるシステムの構築や、電話相談など、より安心に薬を購入してもらうためのサービスが必要になってくるでしょう。
その上で、購入者の方も薬の知識を深め、対面販売とネット販売を対立させるのではなく両者を上手く組み合わせることで、安全に薬を購入できるような工夫が必要ですね。
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