社会人になると、基本的にどんな職種であれ身だしなみは大切です。もちろん看護師も同様で、厳しい身だしなみのルールが各職場で決められています。
看護師をしていると、いつも看護師長などの上司から厳しいチェックを受けることもよくあることです。新人看護師が仕事を辞めたいと思う主な理由に、厳しい身だしなみの基準が嫌だからというものがあるくらいです。
身だしなみの基準はその病院やクリニックによって違うでしょうが、基本的には「常識的な範囲で」ということになると思います。この「常識的な範囲」が、若い20代と管理職である50代では違うんです。
そもそも看護師の身だしなみが厳しい条件であるのはどうしてなのでしょう?
看護師は、患者さんに最も近いところで働く医療職者です。患者さんは、疾患によって免疫力が下がっている場合が多いので、患者にとって身近な存在である看護師は、常に清潔でなければなりません。不潔である場合、感染源となることすらあるのです。
清潔であるための身だしなみに、長い髪はしっかりまとめておくこと、爪は短く切っておくことなどが挙げられます。また、病院によっては時計や指輪も手洗いの際に邪魔になり、場合によっては菌の温床となる場合があるので禁止されています。
上記に清潔であるという観点からの身だしなみの条件を記しましたが、その場合「清潔かどうかは、髪の毛の色や化粧は関係ない!自由で良いじゃないか!」と主張する人もいると思います。確かに髪の色が金髪だろうと黒髪だろうと、清潔さは変わりませんよね。でも、周囲に与える印象はかなり変わります。
看護師は、社会人です。一般企業で働いている社会人で、金髪や過度に濃い化粧をしている人は、ほとんどいないと思います。なぜなら、社会人になれば社会的責任が出てくるので、身だしなみは誠実さや仕事への取り組みを示すものとして周囲に受け取られます。
また、身だしなみは、周囲の人と良好な関係を築けるかどうかにも関わってきます。看護師の場合、患者さんと良好な関係を築かないと、より良い看護ができませんよね。
もし患者さんが、10代から20代の若者だけだったら、金髪に近い色でも、化粧が濃くてもそれほど大きな問題にならないかもしれません。でも、病院に来る患者さんは、新生児から高齢者までありとあらゆる年代の人がいますし、そのご家族とも関わらなくてはいけません。
あらゆる年代の人に好印象を持ってもらうためには、やはり落ち着いた髪の色でナチュラルな化粧である必要があるんです。
「自分はこういうファッションが良い。別に患者さんに迷惑かけるわけではない」という目線ではなく、「自分が患者だったら、どのような身だしなみの看護師に看護されたいか」という目線で考えてみると、なぜ看護師の身だしなみが厳しい条件なのかが納得できると思います。
過酷といわれる看護師の職場環境ですが、具体的にはどのように過酷なのか知っていますか?
看護師の仕事は3Kと言われています。「きつい、汚い、危険」の3Kですね。この3Kの項目をそれぞれ具体的に見てみましょう。
まず、「きつい」から具体的に見てみましょう。看護師の仕事は、体力勝負です。立ち仕事で、勤務時間中に座れるのは、看護記録を書く時だけです。また、患者さんのベッドから車椅子への移動を介助したり、寝たきりの患者さんの体位変換を行ったりと力仕事が多いのも特徴ですね。
また、病棟勤務の場合は夜勤もありますし、日勤後に残業するのが当たり前の職場も多いんです。
さらに看護師は、常に医療ミスを起こさないかというプレッシャーを感じながら仕事をしています。医療ミスを引き起こすと、患者さんの命を奪ってしまいかねない重大な事故につながる可能性があるため、看護師の仕事は、体力的だけでなく精神的にもきついんです。
また看護師は、職場の人間関係に悩んでいる人も多いので、その点でも精神的な苦労が多いと言えるかもしれません。
次に「汚い」です。看護師の仕事は、患者さんの日常生活援助をすることですから、患者さんのおむつ交換やトイレ介助、痰の吸引や清拭など、一般的には避けられるようなことが看護師の主な仕事になっています。
最後に、「危険」です。看護師は医療職者ですから、常に感染の危険と隣り合わせです。もちろん、できる限りの感染防御は行っていますが、採血時の針刺し事故等で命の危険が大きいC型肝炎やHIVに感染してしまったという報告もあります。
また、精神科勤務の場合、患者さんが突然錯乱して暴れることもありますので、その場合暴力を振るわれることもあるでしょう。
このように具体的な看護師の仕事内容も見ても、やはり看護師の職場環境は苛酷であると言えます。過酷な職場環境だから、看護師は離職率も高いですし、より良い条件の職場へ転職を希望する人が多いんですね。
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