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ホーム>感染症情報>ヒトパピローマウイルス(HPV)の常識
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近頃、子宮頸がんワクチンなどのニュースで耳にする機会も多くなったヒトパピローマウイルス(HPV)。
実はこのHPV、日本人の8割以上は感染の経験があると言われています。しかし、殆ど無症状のまま自然治癒していきますので、感染に気づかず日常生活を送っているのが現実です。
最近の研究では、子宮頸がんの原因物質に特定されたウイルスとしても知られるようになり、子宮頸がんの患者数も増加の一途をたどっています。さらに、死亡例も増加傾向で、特に女性にとって脅威となるウイルスです。

ヒトパピローマウイルス(HPV)の主な感染経路は、性交渉と感染者への直接接触だと考えられています。
またこのウイルスは免疫に記憶されない性質を持ち、感染を繰り返すことがあり、ウイルスの型も現在100種類以上のものが確認されているため、特に女性は性交渉の時に気をつけなければなりません。

ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染してから発症するまでの潜伏期間ですが、実はよくわかっていません。中には10年以上潜伏しているという説もありますが、感染を繰り返すウイルスのため、潜伏期間の特定が難しいとされているのです。
型が多いことや痛みやかゆみなどの具体的な症状が出ないため、放置されているケースが多いというのも潜伏期間の特定を困難にしている要素かもしれませんね。

ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染してかかる主な病気は、子宮頸がんと尖型コンジローマです。
特に最近では、この子宮頸がんが注目を集めいています。ではこの二つの病気に着目して症状を説明していきましょう。

子宮頸がんの症状ですが、厄介なことに初期から中期にかけては殆ど無症状です。
進行してくると、性器からの不正出血やおりものの増加、性交時の出血などが認められるようになり、それに伴い下腹部の違和感や痛みを覚えることもあります。
不正出血とは生理の時以外でも出血が起こることを言います。これはヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することで炎症が起こり、炎症部から出血しているために起こります。
子宮頸がんの5年生存率は0期(ごく初期)で100%、第1期で85%と早期発見、早期治療を行えば決して怖い病気ではありませんが、進行すると死亡率も上がり、子宮を全摘しなければならず、妊娠出産の機会を失ってしまいます。
ヒトパピローマウイルス(HPV)は世界中の人が感染している身近なウイルスだと言うことを念頭に置いて、積極的に予防ワクチンを受けるようにしましょう。

次に尖型コンジローマですが、こちらは性器や肛門の周辺にイボイボ状のできものが出来る症状を呈します。
この病気は男女問わず発症します。しかし、このイボイボは良性の腫瘍で無症状、かつ自然治癒していくため、殆どの人が感染に気づかずに日常生活を送っています。
まだ研究段階ですが、子宮頸がんを引き起こすウイルスと尖型コンジローマを引き起こすウイルスは型が違うとされています。
しかし、男性も子宮頸がんを引き起こす型のウイルスには感染し、保菌状態で性交を行うと女性に感染させてしまう危険性があります、というより女性の子宮頸がんの感染リスクとして性交は大きなウエイトを占めていると考えられています。
このウイルスは非感染者の方が圧倒的に少ないとされているので、女性の場合は子宮頸がんの発症リスクを下げるためにも、定期検診と予防ワクチン接種を受けるようにしましょう。

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