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ロタウイルスは主に下痢と嘔吐を伴う胃腸症状を引き起こすウイルスです。感染するのは主に乳幼児で、発症すると40人に1人の割合で重症化すると言われています。
感染が多発する季節は冬場が多く、乳幼児がかかる冬場の嘔吐下痢症の約80%がこのロタウイルス胃腸炎だという報告があります。ロタウイルスは感染を防ぐワクチンや抗ウイルス薬が現在のところ開発されていません。
ロタウイルスの感染経路は、主に食材や飲料水などからの経口摂取、感染患者の出す便や嘔吐物に接触することによる感染だと言われています。食材としてはシジミ、アサリ、牡蠣などの二枚貝に多く含まれていると言われています。
また発症しやすい時期は冬場に多いとされていますので、冬場に生ガキを食べる時には注意しましょう。もし食べるとしたら、食べる前には流水で表面についている汚れやウイルスを良く洗い流すことが重要です。
生食用の牡蠣は、出荷前に真水が対流する水槽で数日間寝かせることで、牡蠣体内外のウイルスや雑菌、汚れを洗い流しますが、念のため家庭でも流水洗浄を行いましょう。乳幼児や病気がちの高齢者が居る家庭では、生の二枚貝の刺身や殺菌されていない井戸水または地下水を飲料水として利用するのは避けた方が良いかもしれませんね。
ロタウイルスの潜伏期間は1日から2日程度(長くても72時間)で、感染初期には37℃から38℃の微熱がでる傾向があります。しかし、この微熱はすぐに消失します。潜伏期間が短く、体内での抗体形成が困難なため、再感染を繰り返すウイルスです。
ロタウイルスもインフルエンザやアデノウイルスのようにいくつもの型がありますが、今の所、ヒトに感染するロタウイルスとして認知されているのは5つの型で、この中でも患者数の多いのがA、B、Cという3つのウイルス群です。そして乳幼児や子供が感染するロタウイルスの殆どが、A群に分類される型だということが分かっています。
ロタウイルスの主な症状は、激しい下痢と嘔吐を繰り返すというものです。感染初期には発熱することもあります。嘔吐は2?3日、下痢は1週間から10日程継続しますが、重症化すると更に長引くこともあります。
ロタウイルス胃腸炎にかかって一番気をつけなければならないのが、下痢と嘔吐による脱水症状です。
脱水症状を引き起こすと、血液の粘度が高まり、血流障害を引き起こして、体内の各臓器や細胞に栄養と酸素を届けることと、老廃物の排泄が出来なくなってしまいます。その結果、体中の臓器が機能を停止してしまい、最悪の場合死に至る可能性も高く、治療中の水分補給には細心の注意を必要とします。
特にロタウイルス胃腸炎では嘔吐が重症化しやすく、1日に5?6回嘔吐を繰り返すようになります。乳幼児の場合、胃腸機能がまだ不十分なため、水分摂取させても飲ませた先から吐き出すことがあり、入院して点滴で水分を補給しながら対症療法を施す場合もあります。
ロタウイルス胃腸炎の特徴的な症状の一つに、お米のとぎ汁のような白い下痢便が出ることがあり、ロタウイルスによる下痢症のことを、別名白色便下痢症と呼ぶこともあります。
この便の色は、ロタウイルス感染症を目視で診断する時に一つの目安となります。またロタウイルスは潜伏期間が短く、症状が局所的に発生するため、体内での抗体形成が難しいので、一度感染して治癒したとしても、再感染する危険性の高いウイルスです。
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