   |
|
ホーム>感染症情報>マダニ(原因・駆除・予防)
|
|
 |
 |
|
マダニが原因となる感染症として代表的なものが「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」と「日本紅斑熱」です。またマダニの仲間であるツツガムシの幼虫が原因となる「ツツガムシ病」も重要な感染症となります。
これらの感染症以外にもマダニが生息する場所には様々な雑菌やウイルスが存在していて、マダニにとりついたこれらの病原菌が、マダニが吸血する際に体内に入り込み様々な感染症を引き起こすケースもあります。
「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」、「日本紅斑熱」、「ツツガムシ病」では、発熱や発疹、肝機能障害、血小板数や白血球の減少などが共通する症状として確認されています。
症状が進行すると多臓器不全を引き起こし、やがて死に到る恐ろしい病気ですから、マダニが生息する山林や湿地帯に近づく時には服装(半ズボンやサンダルなどの軽装はNG)や虫除けスプレーなどでしっかりと予防することが重要です。

マダニが原因となる病気で最も重症度が高いのが重症熱性血小板減少症候群(SFTS)といわれています。
この病気に感染すると体内の血小板や白血球などの免疫力をコントロールする血球細胞が減少していき、健康体なら感染しないような感染症(日和見感染症)にかかり、重症化して命を落とす危険性が高まります。
現在、残念ながらSFTSに対する根本的な治療法は確立されていないため、治療は現れてくる症状(発熱や発疹、ショック状態など)に対する対症療法が中心となります。
またマダニの体内やマダニが生息している地域にはSFTSを引き起こすウイルス以外にも様々な細菌やウイルスが存在していることも考えられ、万が一SFTSを発症した場合には、他の関連する感染症への罹患リスクも非常に高まるため、「SFTSに感染しない=マダニにさされないようにする」予防策が最も重要ということになります。

マダニの生態は普段は草むらの葉っぱの先端に潜んでいて、ほ乳類やは虫類などが付近を通りかかって潜んでいる葉っぱに触れた時に乗り移り、その後はしばらくの間吸血しながら生きていきます。したがって人が半ズボンなどで素肌をさらして安易に草むらに近寄ると、マダニにとりつかれる危険性が増します。
同じ理由でマダニは犬や猫の血液も好んで寄生するので、ペットの散歩中にペットがマダニにとりつかれ、そこから人へと感染する可能性もあるため、屋外の散歩時には十分な注意が必要です。
ペットが散歩から帰宅後にしきりにかゆがったりぐったりして元気が無いように見える時には、マダニに寄生されている危険性がありますので、ただちに獣医に見せ症状を説明して適切に処置してもらう必要があります。
例えマダニを見つけても自分では決して取らないようにして下さい。下手に取ると、マダニの体の一部がペットの体内に残ってペットがSFTSを発症してしまう可能性がありますし、素手でさわることで飼い主さんがSFTSを発症するリスクも高まってしまいます。

取りつかれて重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を発症すると怖いマダニですが、肉眼で確認できる大きさのため、庭の園芸作業中にマダニを見つけた場合などでは一体どのように対処すれば良いでしょうか?
マダニは危険度の高い害虫ですから殺虫剤で殺してしまえばいいと思いがちですが、残念ながら薬局やドラッグストアで売られているダニ用の殺虫剤は、主に家ダニ用でマダニには殆ど効果がありません。
もし家の敷地内でマダニを見つけた場合には、その場所だけに限らずその地域一帯でマダニが大量発生している可能性がありますので、保健所や役場の地域相談課などに相談して駆除してもらうようにしましょう。
基本的にはマダニに汚染されている植物を焼いて駆除することになりますが、十分な安全対策を施さないまま安易にマダニの生息している植物に近寄るのは大変危険な行為なので絶対に自己判断では行わないようにしましょう。

前の章でも述べましたが、薬局やドラッグストアで売られているダニ用の殺虫剤は主に家ダニ用でマダニには効果がありません。したがってマダニを駆除するための一般的な方法としてはマダニが生息している地域一帯の植物を焼却処分します。
その後虫除けスプレーなどのマダニが嫌って近寄らない成分を含んだ薬剤を散布して駆除するのが一般的な駆除方法とされています。
ただし、マダニを生活圏内で発見した場合は局所的ではなくその地域一体でマダニが大量発生している可能性もあるため、とりあえず虫除けスプレーなどで身を守り、速やかに地域を管轄する保健所か役場に相談して適切な処置を講じてもらうようにして下さい。

マダニの予防と取り方についてですが、緊急処置として一番大切なことはマダニに取りつかれた時の取り方ですね。この時は「絶対に自分で取ろうとしない」ことが重要です。
何故なら無理矢理取り除くことでマダニの体の一部が体内に残ってしまい、それを放置することで重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の病原菌や、それ以外のマダニに付着している他の雑菌やウイルスによる感染症に罹患するリスクが高まるからです。
もし、マダニに付かれてしまった場合には、医療機関を受診して適切に処置してもらうようにしましょう。
またマダニの予防法としては屋外に出て草むらなどマダニが生息していそうな場所に近づく時には、長靴にズボンの裾をちゃんと入れるか裾が絞れるようなズボンを履き、素肌で葉っぱの先端に触れないようにすることに尽きます。
素足にサンダル、半ズボンではマダニの格好の餌食になってしまいます。一方で取りつかれさえしなければ重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に感染することもありません。また市販の虫除けスプレーもマダニの予防に効果があるとされています。

|
|
|
最新ノロウイルス情報→ |
|
|
|
Copyright(C) これであなたも医の達人 All Rights Reserved. |
|