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ホーム>感染症情報>ロタウイルス ワクチン・予防接種の重要性
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ロタウイルスの診断は、問診と症状の出方が主な根拠となります。また発症は乳幼児に多く、感染初期から激しい下痢と嘔吐を繰り返すため、迅速な補液治療が必要となります。したがって、検査結果を待っている余裕が無いという理由があります。
下痢症状は殆どの患者に見られる症状なので、検便をして顕微鏡でウイルスの存在を確認する顕微鏡的検査が行われますが、これが迅速診断の決め手となります。
白色の下痢が出た場合には、ロタウイルス胃腸炎が強く疑われるため、すぐに補液治療を開始します。補液治療とは、点滴で水分を補給しながら下痢止や制吐剤の投与を行い、症状の緩和を待つ治療法です。

ロタウイルスには現在抗ウイルス剤が存在していませんので、このような治療法がメインとなります。この治療中には、まずは安静にして点滴だけでなく、口からも水分補給をすることが重要となります。
この時の水分補給は、水よりも体内への吸収率の高いイオン飲料や薬局やドラッグストアでも売られている経口補液薬の方が適しています。
乳幼児の場合は口からの水分補給を受け付けないことがありますが、このような場合には、少量ずつ回数を多くして与えるようにしましょう。
更にロタウイルスが感染するのは胃腸なので、治療中は出来るだけ胃に負担をかけないように、重湯やおかゆなどを中心とした消化が良く、水分の多い食事を摂るように心がけなければなりません。

ロタウイルスもこれまで紹介してきた他のウイルス同様、特効薬はありません。ただし、弱毒化させた生ワクチンを口から接種することで、重症化しないようにするワクチンは既に開発されています。
ロタウイルスワクチンにおいて重症化を防ぐというのは下痢症状を緩和し、入院治療が必要無い程度にまで症状の悪化を抑えるという意味ですので、ワクチンの接種によって、感染しないという訳ではありません。
現在日本で入手出来るロタウイルスワクチンは、ロタリックス(グラクソスミスクライン社製)とロタテック(MSD社製)の2種類です。

現在、欧米や南米、オーストラリアでは乳幼児期に定期接種として受けることができますが、日本の場合は任意接種となります。任意接種の場合、自由診療となり費用が全額自己負担となります。ロタウイルス胃腸炎は重症化しやすいため、日本でも予防接種の義務化を希望する声が高まりを見せています。

予防接種としてこれらの薬を投与する場合、ロタリックスは生後2ヶ月目と4ヶ月目、ロタテックは生後2ヶ月目、4ヶ月目、6ヶ月目に与えます。
アメリカ、オーストラリア、ベネズエラなど12カ国ではすでに乳幼児に対しての定期接種が義務づけられていますが、日本では任意接種となっています。
定期接種の場合、病院や保健所での健診時に受けることが出来、費用は国庫で負担するため、無料か一部負担のみで済みますが、任意接種の場合、病院で処方してもらい全額自己負担となります。このことが全ての乳幼児に予防接種を受けさせることへの大きな障害となっています。
ただ、ロタウイルスは圧倒的に乳幼児への患者数が多く、また重症化する危険性が高い上に、乳幼児は治療時の水分コントロールが難しいため、予防接種の定期接種化が強く望まれています。

ロタウイルスの患者数は子供、特に乳幼児が圧倒的に多いのですが、感染そのものは子供から大人まで幅広く起こり得ます。これは大人の場合は重症化することが少なく、安静にして水分補給をしっかりとしていれば軽度の下痢程度で症状が治まることが多く、乳幼児は重症化する傾向が強いということを示しています。
ただし、高齢化が進む現代では、高齢者が感染した場合にも重症化する可能性が高いのではないか、という懸念が高まっています。

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