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ホーム>感染症情報>マダニ(生態・症状・疾患)
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マダニは大型のダニの仲間で、主に山林などの野外に生息しています。私たちがダニと聞いてイメージする家ダニとは生態が全く異なります。
家ダニが顕微鏡で見なければ確認できないサイズなのに対し、マダニは肉眼でも十分確認可能な程大きく(2?3mm程度)、ほ乳類やは虫類の生き血を餌にしています。吸血後のマダニは3倍程度に膨らむため、肉眼でもはっきりと確認することが可能です。
また家ダニは角質や食べこぼし、ホコリの中の養分、汗や唾液や皮脂を養分にしているため、この両者は同じダニの仲間でも生物分類上はかなり大きな違いがあるということになります。
家ダニもアレルギー性疾患の原因物質として重要な存在ですが、マダニは家ダニ以上に危険な存在といわれています。その理由は毎年マダニやその仲間であるツツガムシ被害によって命を落とす例が報告されているからです。
マダニを含めたダニの仲間は昆虫よりもクモやサソリに近い仲間になります。したがって足は8本ということになりますね。
餌は主にほ乳類やは虫類などの生き血で、大きさはダニの種類によってまちまちですが、マダニの場合、通常で2~3mm程度で、吸血後は3倍以上に膨れ上がるため肉眼でも十分確認することが可能です。
家ダニと違い普段は山林や湿地帯など比較的湿気の高い場所の草むらに生息しています。宿主に寄生する際には草むらの葉っぱの先端に潜み、付近を通った動物がその草に触れた瞬間に乗り移ります。
一度寄生したマダニは1週間以上宿主の血を吸い続け、その後一旦その宿主から離れ休眠し、また他の宿主を探します。これを一生のうちに三回繰り返すといわれています。三度目の吸血の際に成熟したマダニは交尾を行い繁殖します。
ダニの仲間は湿気の多い場所を好むという点で共通しています。したがってマダニのような外ダニの場合は、森林や草むら、湿地帯、水田などが主な生息地となります。普段は植物の葉っぱの先端に潜んいて、付近を動物が通ってマダニが潜む葉っぱに触れたタイミングで寄生します。
マダニはほ乳類やは虫類の生き血を餌にして生息していますが、血を吸う時には吸っている血が固まってしまわないように血小板の働きを鈍らせる成分を分泌します。
マダニは1週間以上も血を吸い続けるため、血小板の働きを鈍らせる成分もその期間中ずっと体内に注入され続けることになり、寄生された宿主では体内の血小板数が少なくなり、様々な不調を覚えるようになり、最悪の場合死に到るケースもあるのです。このような症状を来す病気を「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」といいます。
マダニによる被害報告が増えるのは主に春先から秋の行楽シーズンにかけてですから、マダニに特に注意が必要なのが薄着で屋外に出ることが多くなるゴールデンウィークから夏場にかけてということになります。
ただし、一月に山口県でマダニによる感染症で死亡した例が大きく報道されたことからも分かるように、一年中マダニは生息していると考えられています。
マダニも家ダニと同様、春先から秋口にかけてが大量発生するシーズンと捉えられていますが、いまだにその生態には謎な部分も多く、マダニが生息している山林や湿地帯に出かける際には軽装など肌の露出の多い格好では出かけないことが重要です。
特に下半身は半ズボンで素足にサンダルというのは簡単にマダニに取りつかれやすい格好ですからNGです。ゴム製の長靴などマダニが取りつきにくい靴に長ズボンの裾をしっかりと長靴の中に入れるか裾が絞れるタイプのズボンにして十分なマダニ対策を施しましょう。
マダニはそれ自体がとても危険な存在であるばかりでなく、マダニの生息地には様々な細菌やウィルスも存在していて、マダニを介して様々な感染症にかかる危険性があります。
マダニが原因となる感染症には「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」、「ツツガムシ病」、「日本紅斑熱」などが報告されています。「ツツガムシ病」は稲刈りの時期に水田付近で発生するツツガムシの幼虫に刺されることで起こる病気ですが、このことからも分かるようにツツガムシもマダニの一種となります。
マダニやツツガムシが原因となる疾患の共通する症状が発熱と発疹で、倦怠感や肝機能障害を引き起こし、重症化すると血小板が減少し内出血等を繰り返し、やがて死に至る危険性もある恐ろしい病気です。
なおツツガムシ病と日本紅斑熱との病理的な症状はほぼ一致しているものの、マダニとツツガムシでは取りつく場所が違うため、刺し口の形状の違いで区別されることが多いようです。
ちなみにマダニが寄生するのは主に下肢から足首周辺、ツツガムシは腹部から臀部にかけて寄生する症例が多くなります。
マダニは目視できる程度の大きさですから、万が一マダニを見つけたらすぐに病院にいって除去してもらいましょう。
この時自分で取り除くのは絶対にNGです!無理にマダニを引き抜こうとしたらマダニの一部が体内に残ってしまったり、マダニが持っている病原菌などが他の部位に付着して感染を広げてしまう可能性があります。
またマダニは吸血する際に血小板の働きを鈍らせる成分を分泌しているため、ちょっとした傷口からの流血でも血が止まらずに出血傾向が認められ、貧血気味の人や血圧が安定していない人はかえって危険です。くれぐれも自己判断で除去しようとせずに医療機関で適切な処置を受けるようにしましょう。
またマダニが生息していると思われる場所に行った後に発熱や発疹などの体調不良が起こった場合には放置せずに早めに医療機関を受診するようにして下さい。特に発疹は草にかぶれただけだと思い軽視しがちですので注意が必要です。
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