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デング熱とは、デングウイルスをヒトスジシマカやネッタイシマカが媒介して感染する感染症です。
従来は東南アジアや南アジア、中南米を中心とした熱帯や亜熱帯で流行する感染症で、日本では海外の流行地域で感染し、日本帰国後に発症した輸入感染症という形でしか確認されていませんでしたが、地球温暖化やグローバル化、都市化によって、デング熱の感染地域は徐々に拡大し、日本でも2014年8月に69年ぶりにデング熱の感染が確認されました。
WHO(世界保健機関)は「世界の人口の40%(約25億人)以上に、デング熱の感染リスクがある」と警告していますし、世界のデング熱の患者数は1960年代には年間1万6000人でしたが、2011年には200万人以上に増加しています。
デング熱は感染したすべての人が発症するというわけではなく、感染しても80%は無症状で、残りの20%がデング熱を発症すると言われていますので、患者数は200万人でも感染した人はもっと多いと予測されていて、感染者は5000万~1億人に上るのではないかというデータもあるんです。
デング熱の潜伏期間は2~15日とされていますが、多くの場合はデングウイルスを持つ蚊に刺されてから3~7日で発症します。
デング熱は3~7日の潜伏期間があるため、海外の旅行先で感染し、日本に帰ってきてから発症するケースもたびたび見られていて、2010年には245例が報告されています。
デング熱の感染経路は「蚊」です。輸血などの特殊なケースを除けば、デング熱は人から人へ感染することはなく、ネッタイシマカやヒトスジシマカがデングウイルスを媒介します。
デング熱患者を刺した蚊は、デングウイルスに汚染されます。その蚊が健康な人を刺すことによって、デング熱が広がっていくんです。
デング熱を媒介するのは、ネッタイシマカやヒトスジシマカですが、ネッタイシマカは日本には生息していないものの、ヒトスジシマカは日本にも生息していて、岩手県や秋田県以南のほとんどの地域で生息が確認されています。
ヒトスジシマカの生息範囲は50~100mで、日本での活動時期は5月中旬から10月下旬までとされています。
デング熱は2~15日(通常3~7日)の潜伏期間を経た後、突然の高熱が出て、頭痛や目の奥の痛み、顔面紅潮、結膜充血、筋肉痛、関節痛、全身倦怠感などが現れます。発熱は1~2日の周期で上がって下がるのを繰り返す2峰性であることが多く、2~7日で解熱します。
また、発症してから3~4日後に、胸部や腹部、背部に発疹が出て、徐々に四肢や顔面など全身に広がっていきます。発疹はすべての患者に現れるわけではなく、50~80%の人に現れています。
子供がデング熱を発症した場合は、このような典型的な症状に加えて、下痢や嘔吐など胃腸炎のような症状が出ることもあります。
デング熱は通常1週間程度で回復に向かいますので、死に至ることはほとんどなく、後遺症は残りませんので、予後は良好なのですが、デング熱患者の1~5%が重症化し、デング出血熱へと移行します。
デング出血熱へ移行すると、発熱の2~7日後に突然血漿漏出によるショックと出血傾向が現れます。血漿が血管外に漏出したことによる浮腫や胸水、腹水の貯留が見られ、出血傾向により全身の点状出血や消化管出血、鼻出血などが出て、循環血液量が減少することによるショック状態に陥り、脳や重要な臓器へ重篤なダメージを与えてしまいます。
デング出血熱になると、適切な治療を受けないと死に至る危険が高いですので、一刻も早く医療機関を受診しなくてはいけません。
デング出血熱の発生頻度は全体の5%未満ですが、以前にもデング熱に感染したことがある人は、デング出血熱へ移行するリスクが高いと言われていますので、注意が必要です。
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