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RSウイルス、、、あまり聞き慣れない名前ですが、小さいお子さん(特に新生児)はかかりやすく、感染すると重症化しやすいため、生後1年ぐらいは注意しなければならないウイルスです。
RSウイルスのRSとはRespiratory Syncytial(呼吸器の合胞体)と言う意味で、その名の通り鼻、喉、気管支などに感染するウイルスです。
ウイルスに感染すると、患部の細胞が腫れてお互いにくっついてしまうため、このように名付けられました。

感染から発症までの潜伏期間は2日〜8日、平均的には4日〜6日と言われています。
感染経路は飛沫感染(主に唾液を介して感染)と接触感染になります。
ウイルスが体外に排泄されるまでの期間は2〜3週間と長く、大人の場合、軽い風邪のような症状で収まることが多いため放置したまま普通に生活を送り、感染が拡大する可能性が高いウイルスです。
咳やくしゃみをした時に手をかざすと、その手に付着したウイルスがドアノブや手すり、タオルなどに付着し、感染が拡大していくと考えられています。
人の手に付着した場合は約30分、ドアノブや手すりなどでは約6時間ほど感染する力が持続するため、比較的感染力の強いウイルスと言えるでしょう。
したがって小さいお子さんや高齢者のいる家庭では十分に注意しましょう。
咳がひどい風邪のような症状が出てきたら要注意です。

RSウイルス感染症の症状は風邪と良く似ています。
具体的には、水のような鼻水が出る、鼻づまりが辛い、咳が続いて呼吸がしづらい、などが主な症状となります。
また比較的感染しやすく重症化しやすいのが肺の奥の方にある細気管支で、ここにRSウイルスが感染すると細気管支炎を引き起こします。
細気管支炎になると喘息のように呼吸が粗くなり、細かい呼吸を繰り返す多呼吸や肋骨の下がへこむ陥没呼吸などが見られるようになり、そのうち無呼吸状態になってしまうこともあります。
細気管支炎からRSウイルス感染症が更に重症化すると、肺炎をこじらせ高熱を発したり、慢性気管支炎を引き起こし、重度の呼吸障害を併発して酸素マスクをしながらでないと日常生活が送れない状態になってしまう危険性があります。

小学生以上の児童になると感染しても重症化することは少なく、風邪と良く似た症状から自然治癒するケースが殆どですが、心臓に疾患がある人や喘息を持っている人は成人でも重症化しやすくなります。
しかしながらこのウイルスに特に注意が必要なのは6歳までの幼児と高齢者でしょう。
特に生後1年までの乳幼児や、生まれつき心臓に障害のある子供の場合、細気管支炎から重症化するケースが多いので注意が必要です。
初期の症状は風邪と良く似ていますので、風邪気味でも咳が沢山出る場合は軽く考えずに医療機関で診察を受けるようにしましょう。

RSウイルス感染症の検査方法には簡易診断とウイルス学的検査がありますが、現在では簡易検査が主流となっています。
簡易検査のメリットは、検査方法が簡単であり検査結果が出るまでに30分程度しか時間を要さないという点でしょう。
ただし、感染の有無が分かるだけで、程度までは診断できません。
したがって簡易検査で感染が認められたら、採血をしてRS検査の陽性反応を判断し、胸部レントゲンから気管支炎の状態を把握する検査へと移行します。

それでは具体的にRSウイルスの簡易検査の方法を紹介しましょう。
RSウイルスは鼻から侵入して鼻粘膜に感染することが多いので、鼻に綿棒を入れて粘膜の一部を採取します。
ちょうどインフルエンザの検査と同じ様なやり方ですね。
ただし、この簡易検査が保険で認められているのは3歳以下の入院している患児だけで、外来では自費で行うか、医療機関の負担で行われています。
高齢化が進む中、高齢者のRSウイルス感染症患者の増加も今後は懸念されるため、全国民に対して保険適用になるよう改善が求められています。
血液によるウイルス学的検査では、検査結果が出るまで数日間要してしまい、その間にも感染が拡大してしまう可能性が高いからです。

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