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ヘルペスウイルス、一般的にもかなり知名度のあるウイルスで、インフルエンザと並んで日常でもよく耳にするウイルスの一つです。
しかし、その実態はあまり知られていないのが現状でもあります。
現在人間に感染するヘルペスには、単純ヘルペス、水痘・帯状疱疹ヘルペス、ヒトヘルペスウイルスなど8つの種類が判明しています。
ちなみに、ヘルペスには「水ぶくれ」という意味があり、感染するとその部位には水ぶくれのような発疹が群生するように発生するという特徴があります。
一口にヘルペスと言っても様々な症状があり、症状ごとに感染するヘルペスウイルスの種類が違います。

単純ヘルペスは口唇ヘルペスや角膜ヘルペス、性器ヘルペスなど最も良く知られるヘルペスウイルスで、「ヘルペス」という病名で呼ばれるのは同じヘルペスウイルスの仲間でもこの単純ヘルペスのみとされています。
水痘・帯状疱疹ヘルペスは体中に帯状の発疹が出て、激しい痛みや発熱を伴うことがあります。
ヒトヘルペスには6〜8まで3つの型があり、発疹や脳炎、カポジ肉腫などを生じる危険性があります。
またサイトメガロウイルスに感染すると、肺炎や角膜炎を引き起こすことが知られていますし、これ以外にも伝染性単核症を引き起こすEBウイルスもヘルペスウイルスの一種だということが判明しています。

ヘルペスウイルスはその種類によって潜伏期間もまちまちです。
例えば同じ単純ヘルペスでも、口唇ヘルペスの場合は3〜7日、性器ヘルペスの場合2〜21日間とだいぶ幅があります。
ただ、症例的には感染から1週間前後で発症するケースが最も多いとされています。
ヘルペスには水ぶくれという意味があり、帯状疱疹の一種である水疱瘡(みずぼうそう)もヘルペスの仲間で、子供がかかりやすいヘルペスウイルスとして有名です。

先にも話しましたが、ヘルペスには「水ぶくれ」という意味があり、感染するとその部位には水ぶくれのような発疹が群生するように発生します。
肉眼で確認出来るヘルペスには、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、帯状疱疹(たいじょうほうしん)、水疱瘡(みずぼうそう)、角膜ヘルペスなどがありますが、いずれの場合も小さなつぶつぶ状の発疹が密集して出来ます。
これがヘルペスウイルスの特徴的な症状の一つなのです。
このようにヘルペスは表面に出る症状が多いため、皮膚に感染するイメージを持たれがちですが、実際にヘルペスウイルスが取り憑くのは神経細胞です。
ヘルペスに感染した部位は炎症を起こし、患部に熱を持ち、激しい痛みを伴うことが多いのも特徴的な症状です。
口角周辺に出来る口唇ヘルペスが発症すると、口を開く度に痛みが走るのを経験した人も多いと思います。

体の表面に症状が出てくるヘルペス(口唇ヘルペス、性器ヘルペス、帯状疱疹、水疱瘡、角膜ヘルペスなど)は症状が特徴的なので、問診と視認で確定診断することができます。
血液検査上でも感染すると白血球の数が増えたり、炎症反応(CRP)が出て、尿の色が濃くなり、臭いも強くなります。
これは体内で免疫系とウイルスとが戦っている証拠です。
このように体の表面に出てくるヘルペスの場合、初診時に行われる全身状態をチェックするための一般的な血液検査と、尿検査(これをスクリーニング検査と言います)以外のウイルス血清検査や抗体検査は行われることはありません。
問題なのは骨髄や肺などに感染するヘルペスウイルスです。
こちらは血清検査や抗体検査も行われますが、通常はレントゲンやCTなどの画像診断で炎症像が確認されると、直ちに二次感染を予防するための抗生剤による治療が開始されます。

ヘルペスの治療法は感染したヘルペスの種類によって変わってきますが、ヘルペスウイルスに効果がある抗ウイルス剤による治療がメインとなります。
単純ヘルペスにはアクシロビルという抗ウイルス剤が治療薬の第一選択肢となります。
帯状疱疹や水疱瘡、性器ヘルペスには口唇ヘルペスと同様、アクシロビル軟膏が、角膜ヘルペスにはアクシロビル眼軟膏が投与されますが、いずれの場合にもアクシロビルの内服薬が併用されます。
アクシロビルには用途によって軟膏、内服薬、静注薬、眼軟膏とがあり、発症の仕方によって使い分けています。
風邪などで一時的に体力が落ち、発症する口唇ヘルペスの場合には、患部を清潔にしておくと体力の回復と共に症状は自然消失していきますが、早く治したい人や跡が残りそうな場合には、軟膏と内服薬が処方されます。
稀に血液内に入り込んだ単純ヘルペスウイルスが髄液内にも入り込み、髄膜炎を引き起こしたり、ヘルペス脳炎を引き起こす可能性がありますが、このような状態に陥った時には入院治療となり、静注薬を点滴にして2週間程投与します。

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