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フィラリアとは線虫類(糸状の虫)の一種で、寄生虫のことです。広い意味でのフィラリアには様々な線虫類が含まれますが、一般的にはバンクロフト糸状虫を指し、このバンクロフト糸状虫によって引き起こされる病気をフィラリア症と呼んでいます。
フィラリア症を引き起こすバンクロフト糸状虫は、人間のリンパ節やリンパ管の中に寄生する虫で、バンクロフト糸状虫に感染した蚊に刺されることで感染します。
昔は日本でも九州から沖縄にかけてフィラリアが分布していましたが、戦後のフィラリア撲滅事業の展開により、1978年には沖縄県でフィラリアの撲滅が確認されていますので、現在は日本ではフィラリアに感染することはありません。
ただ、世界的にみると、アフリカや南アジア、西太平洋の島々、ブラジル、ハイチなど熱帯地方では、まだフィラリア症が発生していますので注意が必要です。

蚊に刺され、フィラリアに感染しても、しばらくは無症状のままですが、約9か月後に突然リンパ管炎やリンパ節炎が起こり、発熱やリンパ節の腫れや痛みなどの症状が現れ、それが4日から1週間ほど続きます。
このような症状が数週から数か月ごとに繰り返され、やがて慢性化していきます。慢性化すると、腕や足の皮膚がむくんできて、これが進行すると、象の皮膚のように皮膚が厚く硬く変化していきます。これを象皮病と呼んでいます。
フィラリア症の治療法は、内科的なもの(投薬)と外科的なもの(手術)の2種類に分けられます。
通常はフィラリアを駆逐するために、スパトニンという駆除薬を服用すれば、体内に寄生しているフィラリアを除去できますが、象皮病になった部分は内科的治療では改善できないため、外科的処置が行われます。また、投薬でフィラリアを駆除できなかった場合も、手術で物理的に除去することがあります。

人間にとっては、フィラリア症に海外で感染することはあっても、日本で感染することはまずあり得ないので、あまり身近に感じる病気ではありません。
しかし、犬の場合は日本でもフィラリア症に感染しますので、犬を飼っている方にとってはフィラリア症は身近で注意すべき病気なのです。
犬にフィラリアが寄生すると、数年かけて犬の心臓や肺の血管を蝕み、ボロボロにしていき、慢性的な咳が出て、激しい運動ができなくなったり、腹水が溜まり、さらに進行すると主要臓器の機能不全が起こります。

人間がフィラリア症を予防するには蚊に刺されないようにするしかありませんが、犬の場合は予防薬を服用すれば、フィラリア症を予防することができます。
犬用のフィラリア予防薬には、内服タイプ、注射タイプ、スポットタイプ(塗布薬)の3種類がありますが、最もよく使われているのは内服タイプのものです。
犬にフィラリアが寄生すると、皮下から心臓や血管に移動するのに約2か月かかります。そのため、1か月ごとに内服して、フィラリアが心臓や血管に移動する前に駆除する必要があるのです。

フィラリアの予防薬は、1か月に1度飲む必要がありますが、1年中毎月飲み続ける必要はありません。
フィラリア症は蚊が媒介する感染症ですので、蚊が飛んでいる時期だけ飲めば良いのです。具体的には、蚊が飛び始めた1か月後から蚊がいなくなった1か月後までです。
ただ、フィラリアが血管や心臓に移動してしまうと、予防薬では駆除できませんので、蚊が飛んでいる時期は、1か月に1度確実に内服させるようにしましょう。

フィラリアの予防薬は、基本的に獣医師の処方で投与するものですので、動物病院に行く必要があります。ただ、「忙しくてなかなか動物病院に行く時間が取れない」、「予防薬の値段が高い」等の理由で、フィラリアの予防薬のために定期的に動物病院に通うのが難しい場合があると思います。
そのような場合は、通販を利用すると良いでしょう。犬用のフィラリア予防薬は通販で購入できるんです。通販で購入した場合、動物病院で処方してもらうより安く、半額程度で購入可能です。
ただ、何月ごろから飲み始めるべきかなどを獣医師と相談する必要がありますし、検査もしたほうが良いですので、予防薬を内服し始める時期(蚊の飛び始める時期)の前には一度動物病院を受診したほうが良いでしょう。

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