臨床工学技士は、「厚生労働大臣の免許を受けて、臨床工学技士の名称を用いて、医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作及び保守点検を行うことを業とする者」と定義されています。
生命維持管理装置というと難しいですが、人工呼吸器や透析装置、人工心肺装置というと少しイメージしやすいかもしれません。臨床工学技士は、病院で扱う医療機器の専門家なんです。
臨床工学技士は、医療職種の中では新しい資格です。医療の発達により、様々な医療機器が臨床の現場で次々に導入されているという流れの中で、医療機器の専門家が必要となり、1988年の臨床工学技士法の施行を受けて、臨床工学技士の資格が設けられました。

臨床工学士になるには、規定の教育課程を修了後に国家試験に合格する必要があります。
この教育課程には、専門学校の1年間から大学の4年間まで様々な種類があるため、臨床工学技士の知識や技術のばらつきがあることが、近年臨床の現場では問題になっています。

臨床工学技士の具体的な仕事は、血液浄化療法(血液透析)のための透析装置の操作や管理、手術室で手術が安全かつ円滑に行われるために様々な医療機器の操作、ICUやCCUで集中治療が必要な重症な患者さんの生命維持装置(人工呼吸器や人工心肺装置など)の操作や管理などがあります。
また、新しい医療機器が導入されるときは、医療機器メーカーとやり取りを担当したり、医師や看護師に使い方などをレクチャーする場合もあります。
医療機器の操作ミスは、患者さんの命に直結するものであるため、臨床工学技士は非常に責任の重い仕事と言えるでしょう。

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