日本では、1997年に臓器移植法が成立して以降、脳死も人の死に含まれるものとして、脳死状態での臓器移植が可能となりました。
これに伴い、移植コーディネーターの仕事に注目が集まるようになりました。
移植コーディネーターは、臓器移植が公平に、またスムーズに行われるよう調整する役割であり、ドナー(臓器提供者)やその家族と移植患者の架け橋になる仕事です。

移植コーディネーターには、日本臓器移植ネットワークに所属している20人と日本臓器移植ネットワークから委託された都道府県コーディネーター(約50人)の2種類がありますが、業務内容はほぼ一緒になります。
また、業務内容で分けると、臓器提供者やその家族を担当するドナー・コーディネーターと移植を待つ患者を担当するレシピエント・コーディネーターに分けることができます。

ドナー・コーディネーターの仕事は、臓器提供者が現れたと病院からの情報を受けたら、その病院へ駆けつけ、移植に適しているかを判断し、家族に臓器移植についての説明を行いつつ、家族の意思を確認します。
その後、移植希望者を選定したり、移植手術の調整や立会い、臓器の搬送、提供者の家族のケア、手術後の事務処理などを行います。
レシピエント・コーディネーターは、通常移植手術を行う病院の看護師など院内移植コーディネーターがその役割を担うことがほとんどです。
レシピエント・コーディネーターの仕事は、移植が決まった患者への臓器移植に関する説明や精神的なケア、移植手術の手配や調整、退院後の健康指導などがあります。
移植コーディネーターは、医学的知識やマネジメント能力や事務処理能力以外に、家族や移植希望者の精神的なケアも重要な仕事であるため、高いコミュニケーション能力が必要とされる仕事です。

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