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ホーム>気になる健康コラム>病院でプラセンタ注射をすると献血出来なくなるって本当?
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最近、美容目的でプラセンタのサプリメントを服用したり、プラセンタ注射をする人が増えています。
プラセンタとは、胎盤のことです。胎盤は胎児を育てるための臓器です。胎盤は1つの受精卵から10ヶ月で約3000gの赤ちゃんに成長させますので、様々な栄養成分や活性物質などの有効成分が含まれています。
プラセンタに含まれる具体的な有効成分は、たんぱく質、脂質、糖質、ミネラル、ビタミン、アミノ酸、各種酵素、各種成長因子(肝細胞増殖因子、神経細胞増殖因子、上皮細胞増殖因子、インシュリン様成長因子など)で、これらの効能を利用したのがプラセンタ療法です。
もともとプラセンタは、美容目的ではなく更年期障害や肝機能障害の治療薬として使われていました。これらの治療をしていく上で、プラセンタを投与している患者さんの肌がきれいになる、疲労回復が早い、アトピーが治るなどの効果もあることがわかったため、美容目的にも使われるようになりました。
プラセンタは、更年期障害や肝機能障害だけでなく、アンチエイジングや自律神経失調症、生理不順、アトピーなどのアレルギー疾患、膠原病、脳卒中後の神経麻痺、免疫強化にも効果があると言われています。
更年期障害や肝機能障害での使用は保険適用になりますが、美容目的での使用は保険適用外となります。

プラセンタ注射の原料は胎盤です。つまり、生物由来の医薬品ですので、気になるのはその副作用ですよね。
プラセンタは厚生労働省が承認している医薬品ですし、原料に使用する胎盤も厳しく選定、管理されています。プラセンタが医薬品として承認されてから40年以上経ちますが、現在のところ、プラセンタが原因で感染が起こったなどの問題は報告されていません。
ただ、プラセンタを一度でも注射すると、献血できなくなるというデメリットはあります。

なぜ、プラセンタを注射すると献血できなくなってしまうのでしょう?
プラセンタは人の胎盤を使った生物製剤です。生物製剤の場合、vCJD(変異型クロイツフェルト・ヤコブ病)の感染が理論上否定できないのです。
vCJD(変異型クロイツフェルト・ヤコブ病)とは、正常な脳が海綿状になり意識障害や運動失調、進行性痴呆などの症状が出る中枢神経疾患です。2000年代初頭に起こった狂牛病問題(BSE問題)と似たような疾患だと考えていただければ、わかりやすいと思います。
現時点では、プラセンタを使ったことでvCJDに感染したという報告はありませんが、2003年以降イギリスで輸血が原因と思われるvCJD感染が3件報告されていますので、vCJD感染のリスクは100%否定できるわけではないのです。
そのため、念のための措置として、プラセンタを注射した人は平成18年10月から献血ができなくなっています。
今後、プラセンタ注射をしたいと思っている人は、治療を受ける前に、医師からこのようなリスクの説明を受けて、理解・納得した上でプラセンタ注射をするようにしましょう。

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