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ホーム>気になる健康コラム>長く続く痛み、神経障害性疼痛かもしれません
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足腰、肩、首などの痛みが、いつまでたっても治らないけど、病院に行くほどでは、、と思い我慢している人も多いのではないでしょうか。
検査しても異常が見つからず、長く続く痛みは、神経の異常が原因でおこる場合があるのです。神経がなんらかの理由で傷つき、痛みに対する感覚が過敏になっておこると考えられています。
日本国内には、少なくとも600万人の患者がいるのではないか、と考えられており、慢性的な痛みを感じている人の4人に1人が神経障害性疼痛の疑いがあると言われています。
大きく分けて、痛みには3種類あります。
1.侵害受容性疼痛
頭痛や歯痛、肩こり、打撲、切り傷など怪我や病気が原因となって炎症をおこす痛みです。相対的に、ずーんと重い痛みがありますが、原因となるものが治れば消えてしまいます。
2.心因性疼痛
心の不安などにより痛みがおこります。心の不安などを取り除く治療により改善します。
3.神経障害性疼痛
見た目やレントゲン検査でも異常が見つからず、心身ともに原因がはっきりしない場合が多い痛みで、強いしびれ、電気が走る、焼けるように痛い、ビリっとくる、など様々な鋭い痛みがあります。
がん、糖尿病、帯状疱疹などの病気や外傷、手術をきっかけに、神経がなんらかのダメージを受けてしまい、後々になって発症します。元となる病気は治ったのに、神経細胞は興奮状態が続いて元にもどらず、まるで痛みを記憶したようになり、痛みをおこしてしまうのです。
人が痛みを感じるときは、痛みを伝える神経伝達物質が放出され、脳に伝わって痛みを認識します。神経障害性疼痛は、この伝達物質がですぎる事で起こることがわかってきました。
代表的な神経障害疼痛には、帯状疱疹後神経痛、糖尿病、坐骨神経痛、脊椎管狭窄症などがあります。
痛みといっても色々ありますが、以下のような痛みがある場合、なんらかの神経障害性疼痛の可能性があります。
・しびれるような痛みがある
・焼けるようなヒリヒリする痛みがある
・電気が走るような痛みがある
・針で刺されるような痛みがある
・衣服がこすれたり、冷風が当たっただけで痛みが走る
・痛みの部位の感覚が低下したり、過敏になっている
・痛みのある部位の皮膚がむくんだり、赤や赤紫に変色している
従来は、痛みを抑えるために抗炎症薬が使われていましたが、実際には炎症をおこしているところがないため、効果はあまりありませんでした。
しかし、近年神経に効く新薬が開発され、それを使用した治療が主流となっています。
そのひとつが、「プレガバリン」です。
これは、痛みを伝える物質が過剰に出るのを抑え、神経細胞の興奮を和らげる働きがありる薬です。帯状疱疹のあとの神経痛や糖尿病の神経障害、三叉神経痛など、末梢性神経障害性疼痛に効果を発揮しますが、めまいや意識喪失などの副作用もあるため、使用時には運転をしない、など注意が必要です。
また、痛みをおこしている神経の働きを麻酔注射で鎮める「神経ブロック」も有効です。それでも治まらない場合は、脊髄に弱い電気刺激を送り続けるために、小さな機械を体内に埋め込む「脊髄刺激療法」なども選択枝にはいります。
これは、薬物療法に比べて身体の負担は大きくなりますが、原因のわからない難治の場合でも、痛みが軽減する事が多い治療法です。
しかし、いずれの方法も、一長一短があるため、専門医とよく相談し、自分にあった方法を探しましょう。
しかし、痛みとは、何か身体が問題を抱えている、と教えてくれている信号とも言えます。重篤な病気が原因かもしれないので、年だから、とか、神経痛だよ、などと侮って薬などで痛みを抑えずに、専門医を受診して、しっかり原因を究明したうえで、うまくつきあっていく方法を考える事が大切です。
そして、受診する際は、痛みの種類をはっきり告げることも、診断の手助けになります。
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