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ホーム>気になる健康コラム>愛煙家は要注意、本当に怖いCOPD(慢性閉鎖性肺疾患)
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「肺の生活習慣病」とか「たばこ病」などと言われるCOPD(慢性閉鎖性肺疾患)は、従来“慢性気管支炎”“肺気腫”と呼ばれていた疾患で、たばこや大気汚染、職業として粉塵にさらされている人などが、そのせいで気道や肺胞に炎症が生じ、肺の機能が低下して、正常な呼吸が困難となってしまう病気です。進行すると、歩行時や睡眠中にも酸素不足がおこり大変危険です。
NICEスタディという疫学調査によると、40歳以上の8.6%(約530万人)が罹患していると推定されており、かなり身近な病気です。
患者数は、60歳代後半から急激に増え、2010年時点で、国内の死因第7位、今後高齢化が進むことを考えると、2030年には、世界の死亡原因の第3位になるのでは、と推測されています。
主な症状は、咳やたんに加え、階段の上り下りや重い荷物を持った時におこる息切れなどのありふれたものです。
しかしCOPDは進行性の病気なので、治療せずに放置していると着替えや入浴など日常生活自体が困難になってしまいます。
COPDの疑いがあるかどうか、チェックしてみましょう。
●グループ1
40歳以上ですか?
●グループ2
毎日タバコを吸っていますか? 今はやめていても、過去10年以上喫煙していましたか?
家庭に喫煙者がいたり、交通量が多い場所に住んでいるなど、身の回りの空気環境に問題はありませんか?
●グループ3
咳やたんが出ていませんか?
階段を昇ったり、軽い運動をする時に、息切れしませんか?
風邪をひきやすかったり、引いてしまうと長引いたりしませんか?
*各グループに一つ以上思い当たる節がある人は、一度医師に相談したほうがよいかもしれません。
また、愛煙家は、喫煙指数を計算してみましょう。
喫煙指数=一日に吸うたばこの本数 × 喫煙年数
この指数が700を超えると、COPDや肺がんのリスクが高まると言われています。
COPDの恐れのある人には、重要な注意点が2つあります。
●風邪やインフルエンザにかからないように注意する
風邪やインフルエンザにかかることで、息切れが急激に悪化(増悪)し、咳やたんも増えてしまいます。その度に肺の機能は低下し、繰り返しやすくなるという悪循環をおこします。増悪がひどくなると、入院して治療をする必要があり、最悪死亡してしまう場合もあります。
●高血圧や脂質異常症、糖尿病などを併存しやすくなる
特に虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞など)との併存が多く、とても危険です。その他、骨粗鬆症やうつ病を発することもあり、COPD自体、全身病とも呼ばれています。
以前は治療法のない病気、と言われていましたが、最近では早期に治療を開始すれば、進行を抑え、良好な身体状態を保てるようになってきました。
1. 完全な禁煙
2. 吸入薬などにより、気道を広げて呼吸機能を改善する薬物療法
3. 呼吸筋や全身の機能低下を防ぐための運動療法
4. 栄養バランスのとれた食事 (栄養士の指導の元、良質のタンパク
質を多く取る食事)
5. 増悪を予防するために、こまめなうがいや手洗いを行い、風邪や
インフルエンザにかからないように注意する(ワクチンなどを摂取
するのも大切)
この病気は進行性です。重症化しないよう、早めの対処が大切です。
ちょっとでも気になる事があったら、専門機関で肺機能検査を受けることをお勧めします。
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