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ホーム>気になる健康コラム>まず、敵を知れ! 花粉症
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毎年、花粉予想がニュースで流れ、くしゃみや鼻水、目を充血させた人が増えてきますが、一体私たちの身体の中で何がおこっているのでしょう。
人には、体の外から入っている異物(抗原)に対して、それを排除する抗体を作り対抗しようとするシステムがあります。
花粉に対しては、IgE抗体(免疫グロブリンE)というものが作られ、これが肥満細胞の表面にくっついて次の襲撃を待ち構えます。何度も花粉の攻撃が繰り返されることによりIgE抗体がどんどん作られ、蓄積が一定量に達した時(かなり個人差あり)に、再び花粉が侵入してくると、いよいよIgE抗体が様々な攻撃を開始するのです。
IgE抗体により、花粉との戦場となった肥満細胞は、アレルギーをおこす化学伝達物質(ヒスタミンなど)を放出し、神経や血管を刺激します。知覚神経が刺激されると、脳へ異物の存在が伝えられ、排除するために、目や鼻のかゆみ、くしゃみ、鼻水、涙目がスタートします。これらはすべて、花粉という敵を体外に排除しようという防衛システムなのです。
また、ヒスタミンで血管が刺激されると、うっ血やむくみのため、鼻づまり、充血などをおこします。これも、花粉をそれ以上体内に入れないようにするためです。
こうして、体はいい事をしているはずなのに、花粉症が始まってしまうのです。
そして、一定量の蓄積をしないと攻撃が始まらないため、大人になってから花粉症になる人が多い、ということになります。
風によって受粉する花粉が鼻などに入り花粉症をおこすのですが、どんな植物の花粉が原因なのでしょう。
花粉症患者の約8割はスギ花粉と言われていますが、その他にも季節によって原因となる植物は異なります。スギ花粉のように、全国区ではない、地域特有の花粉症というものもあるのです。
・冬〜春
スギ、ヒノキ、シラカバ、イチョウ、マツ、セイヨウタンポポ、スズメノテッポウ、
・夏〜秋
ナガハグサ、ヘラオオバコ、エゾノギシギシ、ススキ、イラクサ、エゾヨモギ、ブタクサ、アシ(ヨシ)、ヨモギ
同じ花粉を吸い込んでいるはずなのに、発症する人と、しない人がいます。その違いはどこにあるのでしょう。
下記にあげた個々の体質や生活環境が誘引とされています。
●アトピーや食物アレルギー、小児喘息、ハウスダストなどアレルギー体質の傾向がある人
●インスタント食品やコンビニご飯、ファストフード、スナック菓子などを多く食べる人
・・添加物などは、アレルギーへの影響が大きいと言われる
●肉などのタンパク質を多く食べる人(食生活の欧米化)
・・異物への反応が過敏になる=アレルギーになりやすい
●睡眠不足や不規則な生活をしている人
・・自立神経が乱れ、免疫機能が低下しているため、アレルギーなどをおこしやすい
●気密性の高い都会の住居
・・ほこりやダニなどによるハウスダスト、新築の家でありがちな接着剤や化学物質でアレルギーを発症しやすい
●アスファルトに囲まれ、交通量の多い環境
・・・排気ガスによる大気汚染や、アスファルトにより花粉が土にくっつかず風で舞い上がる
●遺伝
・・両親がスギ花粉の場合、子供が係る確率は55%〜60%と言われている。
花粉症の代表的な症状であるくしゃみ、鼻水、目のかゆみや充血は、一見普通の風邪の症状と似ていて、花粉症だと気がつかないことがあるようです。しかし、アレルギーは症状の軽いうちに手を打った方が、症状を悪化させずに済ますことができます。
風邪とあなどらずに、なかなか治らない症状があったら、症状に応じた病院へ早めに行くことが大切です。
●鼻
・くしゃみを連発する
・鼻水が止まらない
・夜も眠れないほど、ひどい鼻づまり
●眼
・かゆくてたまらない
・涙が止まらない
・充血している
●その他
・ぼーっとしてしまい、思考力がなくなる
・頭痛がする
・インフルエンザのような高熱は出ず、でても微熱 。
・頭痛などがあっても、インフルエンザのような関節痛はほとんどない。
・くしゃみや鼻水、せきがあっても、風邪のような のどの痛みは少ない 。
普通、風邪をひいた時に出るくしゃみは、せいぜい続けて3〜4回ですが、花粉症の場合はそれこそ 7〜8回、いや十数回続けて出る事もあります。こうなったら、「風邪かな?」ではなく「花粉症かな?」と疑ってみましょう。
花粉症かなぁ、と思ったときには、一体どの病院に行けばよいのでしょうか?
現在花粉症の知識も普及しているため、耳鼻咽喉科、眼科、呼吸器内科、内科、皮膚科、アレルギー科、小児科など、色々な医療機関で治療が可能です。
そこで、選択枝としては、
1. これから毎年お世話になるので、近くて通いやすい病院を選ぶ
2. 一番ひどい症状を専門としている病院を選ぶ
3. 花粉症やアレルギーに詳しい耳鼻咽喉科か眼科を選ぶ
となります。
しかし、これから長い期間の治療が必要、という事を考慮すると、継続して通いやすい病院を選ぶのが良いかもしれません。
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