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ホーム>気になる健康コラム>アニサキスは噛んで予防!急増している理由とは
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サバやイワシ、イカが原因で食中毒が起こることがあります。これは、アニサキスという寄生虫が原因であることが多いのです。
アニサキスは回虫の一種で、成虫はイルカや鯨の胃に寄生していますが、体長2〜3センチの幼虫は、サバやアジ、イワシ、サンマ、ホッケ、イカなどの内臓表面や筋肉部位に寄生していて、アニサキスが寄生している魚を生で食べることで、食中毒を引き起こします。
アニサキス症は、鮮度の良い魚を生で食べることが原因で起こる食中毒ですので、以前は漁村や漁港周辺で多く起こっていました。しかし、ここ数年は東京などの大都市でも、アニサキス症が多く発生しているのです。
その理由は、冷蔵保存や輸送技術の進歩です。アニサキスの幼虫は、−20℃で24時間以上冷凍すると死滅しますが、保存や輸送の技術が進歩することで、冷凍せずに漁港から大都市まで生の魚を新鮮に運ぶことができるようになったため、大都市でもアニサキス症が起こるようになりました。
厚生労働省によると、アニサキス症の患者は2008年では14件だったのに対し、2012年は65件、東京都だけだと2009年までは年間1〜2件でしたが、2012年は22件に急増しています。
東京医科大学病院渡航者医療センターの浜田教授は、「アニサキスによる食中毒は強い痛みを伴うが、多くは約1日で痛みがなくなる。病院を受診しない人も多く、実際の患者は年間2千人〜3千人いるだろう」と述べています。
アニサキス症は、アニサキスが寄生している生の魚を食べてから、3〜4時間で激しい腹痛と嘔吐が襲います。一般的な食中毒と違う点は、下痢は症状に現れないという点です。
上記の浜田教授が述べているように、治療をしなくても、多くの場合は約1日で症状が治まりますが、アニサキスが消化管壁を貫通すると、穿腔性腹膜炎や寄生虫性肉芽腫を引き起こし、開腹手術が必要になることもあります。
また、食品衛生法でアニサキスによる食中毒が疑われる場合は、24時間以内に最寄の保険所に届け出る必要がありますので、生魚を食べて数時間後に激しい腹痛と嘔吐が出た場合は、重症化しないうちに医療機関を受診しましょう。
アニサキスは、加熱するか冷凍保存(−20℃で24時間以上)をすると、死滅させることができますが、お刺身やお寿司を食べる機会の多い日本では、加熱や冷凍保存の徹底は難しいですよね。
イワシやアジを自宅で刺身用に調理するときは、できるだけ新鮮なものを選び、内臓をすぐに取り除いて、幼虫がいないか確認しましょう。アニサキスの幼虫は、体長2〜3センチなので、肉眼で確認可能です。また、内臓を取り除いた後は、冷蔵保存(4℃以下)をして下さい。
また、浜田教授によると、よく噛んで食べることでも、アニサキスによる食中毒を防ぐことができるそうです。イワシやアジなどの青魚を生で食べるときは、いつもよりもよく噛んで食べることを意識して、美味しく安全に生魚を食べましょう。
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