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ホーム>気になる健康コラム>抗生剤が効かない薬剤耐性菌が増えているって知っていますか?
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従来の抗生剤が効かない薬剤耐性菌は、今までは病院内の入院患者から検出されることが多かったのですが、最近は外来患者から検出されるケースが増えているそうです。
このことを受けて、東京工科大学の浦瀬教授らの調査チームは、東京都内の多摩川で2011年から2012年にかけて、上流から下流までの約65kmの8地点で水を採り、そこに含まれる大腸菌を調査したところ、大腸菌の3452株のうち75株が「第3世代セファロスポリン」という抗生剤に耐性を持っていることがわかりました。
また、上流に比べて中下流の地点のほうが、耐性菌の割合が多いことも判明しています。
この結果、薬剤に耐性を持つ大腸菌が便と共に下水に排出され、河川に流れ込んだと考えられ、多摩川に限らず、都市部の河川には同様の状態にあると見られています。

薬剤耐性菌とは、その名のとおり抗生剤(抗生物質)に耐性を持ってしまい、抗生剤が効かなくなってしまった細菌のことです。
薬剤耐性菌で有名なものは、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)や緑膿菌、ペニシリン耐性肺炎球菌などがありますが、最近は多剤耐性結核菌の出現が問題になっています。
なぜ薬剤耐性菌が出てくるのかというと、抗生剤を正しく使わないことが原因と考えられています。抗生剤を使用するときは、その細菌に効果のある抗生剤を選び、適切な期間で適切な量を使用しなければいけません。
この使用方法を守らずに、使用量が少なかったり、使用期間が長すぎたり、途中で使用をやめたり、その細菌に合わない抗生剤を使うと、細菌が進化してしまい、その薬剤に耐性を持ってしまうのです。
感染症になり、医療機関を受診して、抗生剤を処方された場合、まだ処方された抗生剤が残っているけれど、症状が良くなったから自己判断で抗生剤の内服を止めてしまった経験はありませんか?抗生剤の自己中断は、薬剤耐性菌を作り出す原因のひとつですので、絶対にやめましょう。

私たちができる薬剤耐性菌への対策は、処方された抗生剤は、指示された用法・用量を守って服用することです。
もし、何らかの感染症にかかった場合、以前に処方された抗生剤が余っているからといって、それを自己判断で服用してはいけません。今回の感染症が、以前の感染症と同種類の細菌で引き起こされたかは不明ですので、余った抗生剤が効くとは限らないのです。
また、医師に処方された抗生剤は、指示通りに飲みましょう。自己判断で量を増減したり、服薬を中断することは、感染症からの回復が遅れるだけでなく、耐性菌出現の原因になります。
薬剤耐性菌が多くなると、感染症にかかっても治療ができなくなってしまいます。処方された抗生剤は、医師の指示を守って、正しく服用するようにしましょう。

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