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ホーム>気になる健康コラム>長時間飛行機に乗る際は、ロングフライト血栓症に注意!
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ロングフライト血栓症という言葉を知っていますか?以前は、「エコノミークラス症候群」と呼ばれていたので、エコノミークラス症候群と言ったほうがわかりやすいかもしれませんね。
ロングフライト血栓症とは、長時間飛行機に乗り座席に座っていることで、膝の裏など脚の血流が悪くなり、血流が停滞することで血栓ができる病気です。この血栓が血流に乗って、肺に到達し、肺の細い血管を詰まらせることで、呼吸困難や胸の痛みを引き起こします。
脚に血栓ができると、その部位が赤く腫れたり痛みが出ますが、それが肺に到達すると、軽症の場合は発熱や胸焼けなどの症状が出たり、重症になると失神や重度の呼吸困難を引き起こし、死に至ります。

なぜ、長時間飛行機の座席に座っていると、血栓ができるのでしょう?
足のつま先まで送られた血液が重力に逆らって心臓まで戻ることができるのは、脚の筋肉を動かすことで静脈の血流を促しているからなんです。つまり、脚の筋肉がポンプの機能を果たしているのです。
しかし、長時間同じ姿勢で脚の筋肉を動かさないと、ポンプ機能が働かないことになり、血流が停滞して、血栓ができやすくなってしまいます。
また、機内は乾燥していますので、1時間に80mlも身体の水分が失われていきます。身体の水分が失われると、血液はドロドロになりますので、さらに血栓ができやすい状況になるのです。

誰でも長時間同じ姿勢で飛行機の座席に座っていると、ロングフライト血栓症になる可能性はありますが、特に注意が必要な人がいます。
動脈硬化など血管壁が痛んでいる場合は、血栓ができやすいので、中高年者は注意しましょう。
また、肥満の人や喫煙者、妊娠している人や出産直後の女性、ピルを飲んでいる人、大怪我や骨折、手術を受けた直後の人、生活習慣病など基礎疾患がある人、過去に血栓症を起こしたことのある人は、ロングフライト血栓症になるリスクが高いことがわかっています。

ロングフライト血栓症を予防するためには、脚を動かす必要があります。2〜3時間ごとにトイレに行ったり、空いているスペースで屈伸運動をすると良いでしょう。また1時間ごとに座席に座ったままで、つま先やかかとの上げ下げをして、脚の筋肉を意識的に動かすようにしてください。
また、水分を意識的に多く摂ったり、血流を妨げないようなゆったりとした服で飛行機に乗ることも大切です。
上記のようなハイリスクの条件に当てはまる人は、窓側の席ではなく動きやすい通路側の席を予約しておいたほうが良いでしょう。
年末年始は、海外旅行のために長時間飛行機に乗る人も多いと思います。楽しい旅行にするためにも、機内では脚をできるだけ動かすようにして、ロングフライト血栓症を予防しましょう。

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