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ホーム>気になる健康コラム>日本で結核が減らない理由は?喘息の人は注意が必要です
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日本は医療先進国です。これは、平均寿命が世界トップクラスであることからもわかりますね。でも、結核に関しては先進国ではなく「中進国」に留まっているという現状があります。
現在、日本では結核の新規患者は年間2万人以上報告されていて、2000人以上が結核で死亡しています。結核の罹患率は、アメリカの4.5倍と先進国の中でも高くなっています。これは、先進国の中でも日本は湿度が高く、結核が蔓延しやすい気候条件であることが原因のひとつとされています。
結核は過去の病気と思っている方も多いと思いますが、1999年には厚生労働省が「結核非常事態宣言」を出していて、これはいまだに取り消されておらず継続しています。
2013年は、7月に東京都の男性教諭が結核を発症したまま教壇に立っていて生徒に感染させたというニュースが、10月には医師や看護師が結核を発症しながらも患者と接していたというニュースがありました。
これらのニュースに共通しているのは、咳や微熱などの体調不良で病院を受診したにもかかわらず、病院では結核と診断されなかったため、勤務を続けたという点です。
結核の五大症状は、咳・痰・血痰・発熱・胸痛ですが、これらの症状は風邪と共通している部分が多いという問題があります。また、胸部レントゲンだけでは、結核の専門医でないと診断が難しいケースがあるため、結核を発病した人が病院を受診しても、結核と診断されずに見逃されてしまうことが多いのです。
結核と診断されなかったら、ただの体調不良や風邪と思って、特に仕事を休むことなく、周囲の人に感染を広げてしまいますよね。
また、日本では急速な高齢化が進み、高齢者の数が増加していますが、60代の人は10人に1〜2人が結核に感染していると推測されています。戦前・戦後に結核に感染した人がすぐには発症せず、高齢になってから免疫力が低下して結核を発症するというケースが増えているため、今後も高齢者を中心に結核患者が増加すると考えられています。
結核は咳や痰などの症状が出ますが、同じような症状の喘息患者は注意が必要です。喘息を持っていると、咳や痰が長引いても、喘息の症状と思い込んで、結核の発見が遅れてしまう傾向にあります。
また、韓国のソウル大学医科大学の研究チームは、喘息の治療薬の主流である吸入ステロイド薬を使うと、結核になるリスクが1.2倍に上昇し、吸入ステロイド薬の用量が多いほど、結核のリスクが高まるという研究結果を発表しました。これは、ステロイドには免疫力を低下させる副作用があることが原因と考えられています。
喘息患者で吸入ステロイド薬を長期間使用している人は、自分が結核に感染するリスクが高いということを認識し、いつもの喘息と違う咳が出たり、血痰や発熱などの症状が出たら、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。
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