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ホーム>気になる健康コラム>冬は喘息が悪化しやすい?喘息が悪化する意外な原因とは?
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喘息を患っている人の割合は成人で4%、小児で7%と言われています。数字だけでみると、それほど多い病気ではありませんが、喘息は成人になってから突然発症することもありますので、他人事の病気ではありません。
喘息は発作が起こると、咳や痰、呼吸困難感などの症状が出ますが、この喘息発作は冬に起こりやすいんです。
その理由として、気温が低いことと空気が乾燥していることが挙げられます。冷たい空気を吸いこみ、それが気管に入ると、その冷たさが刺激となって喘息発作を引き起こしてしまうのです。
また、空気が乾燥していると、気管の繊毛運動が弱くなり、喘息を引き起こす埃などのアレルゲンが進入しやすくなります。
繊毛運動とは、気管に生えている小さな毛(繊毛)が、1秒間の15回程度小刻みに動くことで、進入してきた異物を粘液と一緒に外に押し出してくれる働きのことです。咳や痰などが出るのは、この繊毛運動によって、異物が粘液と一緒に押し出されてきたからなんです。
この繊毛運動は、アレルゲンだけでなく細菌やウイルスの進入も防いでくれますが、冬に風邪を引きやすいのは、この繊毛運動が低下していることが一因と言えるでしょう。そして、風邪を引くと、喘息発作が起こりやすくなります。
これらの理由から、冬は喘息が悪化しやすい季節なんですね。

では、冬という季節以外に喘息を悪化させる要因は何でしょう?ここでは、ちょっと意外に思える喘息悪化の要因をご紹介します。
1つ目は、肥満です。一見、肥満と喘息は無関係のように思えますが、肥満細胞から喘息の原因となる気道の炎症を促す物質が分泌されますので、肥満と喘息は深い関係があるんです。また、肥満になると脂肪によって気管が狭くなりますので、発作が起こるとさらに気管が狭くなって、呼吸困難感が増し、喘息発作が悪化する要因になります。
2つ目が、逆流性食道炎です。最近、逆流性食道炎を患う人が急激に増加していますが、胃液が食道に逆流し、その胃酸がごく微量でも気道に流れ込むことで、気道が炎症を起こすことが、喘息発作の誘因になっていると考えられています。
3つ目が、痛み止めです。ロキソニンやボルタレンなどの痛み止めを医師に処方されたことのある人は多いと思います。これらの痛み止めには、アスピリンという成分が含まれていますが、このアスピリンが喘息発作を引き起こすことがあります。アスピリンによって喘息発作が起こるのは、喘息患者の10%と言われています。

喘息は重症化すると死に至ることもある病気です。実際に、毎年2000人もの人が喘息によって命を落としているのです。
喘息は「完治」を目指すのではなく、上手に「コントロール」していくことが重要になります。喘息発作を起こさないために、日常生活でできることを実践していきましょう。
まずは、室内を掃除することです。埃やハウスダストは、喘息発作を引き起こす主な原因の1つです。こまめに部屋を掃除して、清潔に保っておきましょう。
また、免疫力を高めて風邪を引かないようにすることも大切です。喘息患者が風邪を引くと、風邪が治りにくい上に発作も起こりやすくなり、さらに発作が重要化しやすくなります。そのため、手洗いやうがいの徹底はもちろんですが、風邪が流行っている時期に人混みに出るときは、必ずマスクを着用するようにしましょう。
最後に、基本的なことになりますが、医師の指示はしっかり守らなくてはいけません。発作を予防するための吸入ステロイド薬や気管支拡張剤の貼り薬などを処方されていても、「最近発作が起こっていないから」という理由から自己判断で治療をやめてしまう人がいます。自己判断で薬剤の使用をやめると、喘息発作がいつ起こってもおかしくない状態に戻ってしまいますので、薬剤の使用は医師の指示通りに継続するようにしましょう。

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