生活習慣病やメタボリックシンドローム、今やこの言葉はすっかりと市民権を得たような感があります。
当サイトでこれから説明していく「高血圧」も生活習慣の乱れによって引き起こされる症状であり、メタボリックシンドロームと深く関係しています。
と、言うよりも、あらゆる病気に高血圧は関与していると言っても過言ではないぐらい高血圧症が原因の病気、あるいは怪我や病気が原因となる高血圧症が存在しているのです。
一口に高血圧と言ってもその種類は沢山あるという事ですね。
ところで誰もが知っている高血圧ですが、高血圧を正しく理解している人はどれぐらいいるのでしょうか?
厳密に言えば「高血圧」と「高血圧症」とは違う状態なのです。
これはどう言う事かというと、「高血圧」とは何らかの原因によって血圧が高くなってしまっている状態の事で、「高血圧症」は日常的に血圧が高い「病気」だという違いがあるのです。
高血圧症については次章でもう少し詳しく説明していきますので、ここでは「高血圧」について説明していきましょう。
健康な人でも血圧は常に一定という訳ではありません。
少々乱暴な言い方かもしれませんが血圧は24時間の内にわずか数秒の間にも変動しているものなのです。
夜寝ている時よりも日中活動している時の方が血圧は高くなりますし、日中の活動中にも運動したり、緊張したり、食事をしたりする事ですぐに血圧は高くなります。
したがって、一時的に血圧が150mmHgを超える数値をマークしても、すぐに病気の「高血圧症」という判断は出来ないのです。
これも後ほど詳しく説明しますが、病院で血圧を測られる時に、お医者さんや看護師さんを目の前にすると緊張して血圧が上がってしまう「白衣性高血圧」という症状もあります。
それでは高血圧の正体とは一体なんなのでしょう?
その答えは、高血圧は血管の収縮によって起こる「状態」だと言う事です。
もう少し具体的に説明しましょう。
血管は心臓の動きに合わせて拡張と収縮を繰り返し、血液の流れ(血流)を作り出す補佐的な役割を担っています。
つまり、血管は自分の意識とは無関係に拡張と収縮を繰り返すのです。
この一連の動きの中で、血管が収縮した時には血液の通り道が細くなるので、血管の内圧が上がり血圧が上昇します。
血圧を測定する時に高い数値と低い数値を調べるのは、高い方が血管が収縮した時、低い方が血管が拡張した時の血圧の数値なのです。
また食後30分程で血糖値が上昇してくると、血液に粘りが出てきて血流が一時的に悪くなります。
その時も血管は収縮する事で血流量を上げようとするため血圧が高くなるのです。
緊張した時や運動中にも血圧が上昇するのは血管が収縮するのが原因です。
このような一時的な高血圧は病気の高血圧症とは区別する必要があります。
したがって自分自身の血圧を正しく知るためには日頃から一日に最低3回は血圧を測定し、その値を記録して平均値を出しておく必要があります。
ただし、高い方の血圧が130〜140mmHgを超える人は高血圧症の疑いがあるので、医療機関でもう少し詳しく検査してもらう必要があります。


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