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ホーム>高血圧の基礎知識>高血圧症と高血圧との違い
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高血圧症と高血圧との違い。分かりそうで分からない微妙なニュアンスですよね。
(高血圧については前章でも詳しく述べているので参考にしてみて下さい。)
この両者の違いを一言で説明するなら、「高血圧症」は病気で「高血圧」は一時的に血圧が上昇している状態にある、あるいは血圧が上昇しやすい環境に身を置いていると言う事になります。
ここも分かりにくい微妙な違いですが、運動中や食事直後など生理的に血圧が上昇しやすい状態にあるのが前者で、職場や教室に苦手な人が側にいて常に緊張を強いられているような状態が後者となります。
後者の方は一時的な高血圧状態ですが、この状態が長引く事で病気の高血圧症に移行しやすくなってしまいます。
一方「高血圧症」の場合は、平素リラックスしている状態でも血圧が正常値よりも高くなっています。
この場合は血管や血管の内部、あるいは体のどこかに何らかの異常が生じていることが考えられます。
これも何だかとても漠然としていますよね。
しかし血圧が慢性的に高いのが「高血圧症」だと言う事は理解出来ても、何故高血圧症になってしまったのか、その原因については星の数程の理由があるのです。
ただ、医学的には「高血圧症」とは何らかの理由によって血管内部の圧力が恒常的に上昇してしまっている状態ということになっています。
つまり、血管そのものの機能低下若しくは、血管内部に血栓が出来て血液の通りが悪くなり、内圧が上昇するのが高血圧症の定義という事になります。
ただし、がんなどの腫瘍が出来ると、腫瘍に圧迫されて血液の流れは悪くなってしまいます。
また、怪我をすると免疫の働きで出血を防ぐために血小板などの凝固成分が傷口に集まって塞いでくれるのですが、この時も血小板の塊が出来る事で、血液の流れを邪魔してしまい血圧が上昇します。
このように他の病気や怪我の影響で血圧が上昇してしまう場合もあるのです。
この時、血圧を上昇させている病気が慢性的な病気の場合、血圧も常に高い状態になってしまうため、これも病気の「高血圧症」に分類されます。
このようなケースの時には「○○性高血圧症」という呼び方をされます。
がんによる高血圧症の場合は「がん性高血圧症」という具合です。
更に、血管の機能が低下して高血圧症を発症している場合には動脈硬化症の合併が強く疑われます。
と言った具合に高血圧症を引き起こす原因は沢山あるのです。
逆に高血圧症が原因で他の病気を発症する事も頻繁に起こります。
高血圧症を発症しているという事は血液の流れに障害が出ているという事なので、体中に十分な酸素と栄養が行き渡っていないという事になりますから、どこかで臓器障害や器官障害を引き起こしている危険性が高まるのです。
めまいや動悸、息切れ、貧血、不整脈などは高血圧症が原因となって起こる事が多い症状の代表的なものです。
また、高血圧症というと高い方の血圧に注目しがちですが、低い方の血圧が正常値よりも高い場合も高血圧症となります。
低い方の血圧は血管が拡張している時の血圧ですので、これが高いという事は血管の運動に異常を来していると考えられるからです。
高血圧症そのものは特に目立った自覚症状も無いため、日頃から意識していないとつい見落としがちになってしまいます。
ところがこれまでに紹介したように、高血圧症の裏には、がんや心臓病など楽観視出来ない病気が潜んでいる可能性があるため、健康診断などで血圧が高いと指摘された場合は医療機関で再検査をして、他にも異常が無いかどうかを詳しくチェックする事が重要です。
このように無症状のまま症状が進行して、やがて恐ろしい合併症を合併する事から、高血圧症は別名サイレントキラー(沈黙の暗殺者)と呼ばれています。


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